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桜色の訪問着

受け継がれた着物。
母のお気に入りの着物。

もう腰が曲がって
着る事ができないから。

手渡させれた着物。

落ち着いた桜色の訪問着。
刺繍の模様が
少し斬新で
でも目立ち過ぎず
母の好みだと
すぐにわかる。

母は
どこか寂しそう。
その着物を着て
孫のお宮参りに行った頃は
腰も曲がってなくて
とても美しく装っていた。

着物は、
代々受け継がれ
袖を通した人の人生を
彩ってきた。

受け継いだ着物、
私は
いつ袖を通すことになるだろうか。
きっと
節目の1日に
母を思い出しながら
羽織るのだろう。

桜色のとても美しい訪問着。
それが似合う生き方をしていこう。

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