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コラージュ・ど・ジャパン(焼き立て)

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夢で会いましょうのパクリです
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2022年12月の記事一覧

「ロ」バート矢野

 「なあ、ロバートって四人組だったっけ?」 「なんだいきなり、そんなこと聞いてきて」 「いや……やっぱなんでもないわ」 「なんだよいつものお前じゃないな、一体どうしたんだよ」 「ロバートって三人組じゃなかった、って」 「ロバートは四人組に決まってるだろ、はねトびやポケサン観てたのに忘れたのか?」 「あ、まじか……いや、確かにそうだったな、すまんすまん」 「変なこと聞いてきて、もしかして若年性認知症とかじゃないの?(笑)」 「ははは……」  ロバートは三人組という記憶が残って

「レ」インボーブリッジ封鎖できません

 目覚めると、清潔な真白い部屋に居た。仰向けの体を起こし足元の方を見ると、脛のちょうど上の方にテーブルがあり、そのまま顔を横にやると、細い管で左手首と繋がれた点滴バッグ越しに、茶色いサイドテーブルとその上の小さなテレビが見え、ここは病院なのだと気づいた。  初めは、交通事故の類で怪我をしたのだろうと推測していたけれど、会社帰りに急に倒れてここまで運ばれたと看護婦は言ったから、事実はそうなのだろう。そして、運び込まれ手術をしてから五週間昏睡状態だったことも知った。  会社帰

「ル」ートビア殺人事件

 「犯人はこの中にいる!」とよく分からぬ小童が赤い蝶ネクタイに語りかけているが、その声の太さに度肝を抜かれて僕は失禁した。でも最近再発した夜尿症対策でパンパースを履いていたおかげで、辺りに気づかれることは無かった。平野啓一郎か? という疑念ももちろん湧いて、僕は遠くから興味津々に見つめている。  「犯人は大きな乳房を抱えていました、そしてそれはあなたのことですね、安浦さん」と僕の右横にいる、体百点、顔六十七点、性格野蛮の女性の名前が呼ばれて、皆一斉に彼女の方を振り向く。  「

「リ」ン菌パーク

どのような人間の裡にも、狂気は潜んでいる。 ただそれが露呈されるか秘匿されるかの違いで、全ての人間が狂気を持つ。 その公園に行ったものは皆、淋病に冒される。 そんな公園があったらどうする? ヤベェよなぁ? ヤベェだろぉ! でもよ、そんな公園があったら即、国が封鎖して、大ごとになるよなぁ! だからヨォ、俺らで国の奴らに抗争しに行くぞ! この中に、淋菌パークがあんのに迷惑だって思ってる奴いる!? 淋菌パークが封鎖されてんのに、公権力に日和ってる奴いる? いねえよ

「ラ」ーメン・リパブリック

 友達と遊んだ後、ラーメン屋に行くのはあんまり望ましくない、何故なら話す機会が少ないし、最近の意識高い系の店主が最高にマザーファッカーだからだ、そう言った親友、ステイプル・ステイプラー三世は上着にダイナマイトを隠し、様々なラーメン屋に出向いては店主や客の態度を見計らい、良ければ何もしないが、悪ければ、彼がいつもタバコを吸う際に用いる100円ライターでダイナマイトに火をつけ、帰り際カウンター下の荷物を置くためにある溝に捩じ込んで、駆け足でそこを去り、背後から爆発音を耳にして、同

「ヨ」ってかない?カッちゃん

 糞を拭った紙と母親を間違えるニヒリストのように、隆起した男根が徐々に大きくなり、寝台を越え、屋根を越え、確立した怪獣として、その男根に自我を奪われるフロイト的な自傷願望(自己愛)の蔓延した現代社会は、新型コロナウィルスの流行する前からパンデミックの様相を呈し、ここ、秋田県新宿区にも、その鳶口が下されそうになっていた。  ゲームボーイアドバンスのカセットが梱包されていたあの箱のように、手のひらサイズの長方形が好きだ。そして、手のひらサイズの長方形と同じくらいゆみちゃんのこと

「ユ」マ・サーマン

 工場で働くユマ・サーマン。  石化させるユマ・サーマン。  鼻血噴き出すユマ・サーマン。  クソデカ親指のユマ・サーマン。  天井に張り付くユマ・サーマン。  植物と融合したユマ・サーマン。  パリにやって来たユマ・サーマン。  ジャッキで殴られるユマ・サーマン。  アビーだと間違われたユマ・サーマン。  緑のスカーフを着けたユマ・サーマン。  スウェーデン語訛りのユマ・サーマン。  僕たちの世界にはいろんなユマ・サーマンがいて、でも気づかない程度に生活に溶け込んでいる。

「ヤ」ンキース

 小説執筆にはアメリカンスピリットが合う。アメリカンスピリットと言っても、”アメリカのように自由な魂を持って小説と向き合え”とか、そういった話ではなくて、執筆中の喫煙には、アメリカンスピリットという銘柄のタバコが合うという話だ。  アメリカンスピリットは燃焼時間の長いタバコだ。一般的なタバコに比べ、巻紙に葉が多く詰まっていること、燃焼剤や香料などの添加物を使わず、無添加素材で作られていることなどが、燃焼時間を長持ちさせる要因らしい。  パソコンに向き合い、文章を打ち込む。

「モ」チモチの木 Part II

 霜月二十日、祖父を助けるべく、「ヘッドフォンアクター」にて丘の上へと走る榎本貴音宜しく、モチモチの木を横切り、医者のところへ向かった豆太の話から早五年。モチモチの木は再開発で伐採され、ひもじく暮らしていた二人は山の権利関係で大金を獲得し、田舎なんて暮らしても仕方ねえと、東京都港区白金に一軒家を構え、ドンペリを飲んでいた。  五年経てど、豆太は高校生であるため、ドンペリは本来飲んではいけない。しかし矍鑠とした祖父が盃を豆太に向かわせ、 「なあに、儂は豆太の歳には、これを毎朝飲

「メ」ンタリスト・ディエゴ

 この前スーパー行ったら、メンタリストが安売りされていた。  それ買ってフライパンでコンガリいって、ウィスキーと一緒にやった。  それらを飲み食いしながら、Netflixで「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」を観た。  ヨンウがイ・ジュノとキスするシーンで、コーフンして、ディエゴ頬張る顎に力が入り、舌も一緒に噛んじった。  白いテーブルに口元から滴る血。ティッシュ取って拭こうとしたら、その血だまりがイルカに見えて、もしラッセンが赤い絵の具を使っていたらこんな感じだったんだろう、と。思

「ム」チムチボディ

 本真ゆりの「授業参観ボディコンママ」を見ていたとき(おなってない)、僕はふと小学校の時一度も同級生にならなかったK君のお母さんを思い出した。良く学校行事で来ていたけど、あれはすごかった。いやボディコンママみたいに露出度高いわけじゃないけど、ヒョウ柄のタイツに厚底ブーツみたいなのを履いて参加していた。すごい近づきにくい人だったけど、いざ話してみると良い人で、人は見た目だけで判断しちゃダメなんだな~と思いつつも、やっぱり怖かった。  そういやこのK君の家に一回だけ遊びに行ったこ

「ミ」ュータント・タートルズ

腹へった パスタ チンして できあがり トリコ見ながら たいらげた 腹ふくれ 動きたくない 哀れだな これじゃあまるで 肉ダルマ デザートに プッチンプリン 食べたンゴ 蓋の裏まで 舐めました 寝る前に ママの財布を 漁ったら 千円二枚 嬉しいな 目を閉じて あの子のことを 考える 勃起したから 射精した この世には 俺より下の 人がいて 下水のとこで 暮らしてる そうさ、あだ名は 下水亀(げすいがめ)

「マ」ッチ売りの少女

 冬の季節、街の通りで、ある少女が近藤真彦のブロマイドを入れたカゴをぶら下げて、 「マッチ、マッチはいりませんか?」とか弱い声で宣伝していた。しかし行き交う人は皆冷ややかな視線で彼女を見るし、中には心無いことを言う人も居る。 「誰も近藤真彦なんて欲しいと思ってねえよ!」 「中森明菜のこと忘れてねえぞ!」 「ほんと、ジャニーズ所属だったから許されていたみたいな感じがあるけど、もうジャニーズじゃないからただの屑ね」  彼女はそう言われて(特に最後の言葉に)深く心が傷つき、泣きそう

「ホ」ルヘ・ルイス・ボルヘス

チュニジアの風を浴びた。それは俺が実際にチュニジアに住んでいるからとかチュニジアに降り立ったその飛行場の外でといった話ではなくチュニジアはエッタドハメンに住む俺の義理の妹が送ってくれた荷物のダンボールを開封した時にその何か不思議で何処か感傷的とも思えるほどの10,000キロほど離れた彼方からこちらまで物が届けられたという現代ではもう当たり前と化してしまったかもしれない事象に人類の先頭に立つ現代人の端くれとして敬意を込めて形容した言葉だ。ダンボールにはチュニジアのお菓子やら研究