山際大臣の進退について

 自民党と統一教会の関係が指摘され、3ヶ月以上過ぎたが、岸田政権の問題対応(火消し)は十分ではないように思える。
 特に山際大志郎経済再生相は、次々と接点が明らかになり、国会でも大きく取り上げられている。
 これまで、事態対処に乗り出した松野博一官房長官は、山際と協議し辞任の意向を探ったが、調整は進まなかったと読売が報じている。
 そうした中、政権が山際を更迭できないのは2つ理由があるのではないかと考える。

 一つは辞任ドミノの懸念だ。これまでメディアでは細田博之衆院議長、萩生田光一政調会長らの統一教会との関係が取り上げられている。山際を更迭すると関係のある議員が相次いで辞任する事態に陥り、政権の構造が不安定になるリスクがある。特に、萩生田は岸田からの信頼が厚く、最大派閥を率いる可能性もある人物。辞任の連鎖が拡大し、萩生田が外れることは痛手である。

 二つ目は山際が甘利明前幹事長の側近であるということだ。甘利は2021年の総裁選で岸田選対の顧問を務め、岸田首相誕生の最大の功労者であったが、甘利はその後の衆院選において小選挙区で落選したため幹事長を辞任した。そのため、岸田は甘利に配慮することが多い。8月の内閣改造では、甘利が山際の留任を強く望んだという報道もあり、簡単に更迭できないだろうと推測できる。

 山際に関しては、これまで統一教会の会合に出席したり、総裁と記念撮影をしたなど多くの接点が見つかっている。しかし、ここまで来て辞任しないのであれば、もっと大きな爆弾が来ない限り辞任することはないのではないかと思う。この程度の情報が小出しされていくのであれば、引き続き炎上は続くものの、辞任に至る可能性は高くはない。

 個人的には、統一教会問題以外の問題が出てきた場合、官邸が更迭に動き出す可能性があるように思える。(たとえば、政治とカネの問題が浮上した場合、それは山際個人の問題であり、問題が波及する恐れは低い。※あくまでも仮定の話で事実ではない)

 今後の予算委員会での対応、新たな接点の発見次第により情勢は変わるが、私の見方ではおそらく辞任することはないのではないかと考える。

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