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東京のファミリー向けマンションの金額目安と変数(2023-25)

最近新築マンションを購入した際に推測した、マンションの金額がどのように決まっているのかの肌感です。
完全に実需の購入者視点、坪単価などは考えず総額で大雑把な目安を出すもので、これからマンションを買おうかと思っている方がざっくりと条件を探る参考になればと思います。

2025年までに竣工する、東京で70㎡のファミリー向けマンションを探す際のざっくりした目安になります。
予算5,000万~1.5億くらいまでで、それ以上になると異常値になるので当てはまらなくなってきます。

大枠

想定した基準に対して、増額要素と減額要素を足し合わせ、その結果に乗数をかけると金額の目安になります。

例えば通勤重視で主要駅まで20分、ハザードは気にしない場合は、
(5,000 + 主要駅距離1,000 × 4 + 23区内500 - ハザード500) = 9,000万円が目安になります。
実際の物件に当てはめるとプラウドシティ方南町ですね。

基準

山手線主要駅まで1時間、70㎡、設備普通、中住戸
5,000万円
※主要駅までの時間は最寄駅までの徒歩距離+平均的な電車乗車時間
※主要駅 = 東京、品川、上野、渋谷、新宿、池袋の最も近い駅

増額要素

主要駅まで10分近くなるごとに+1,000万円
高層階 +500万円
室内設備グレードアップ+500万(価格帯に対してのグレード)
(台地+500万)
23区内+500万
角住戸+500万

マイナス要素

主要駅から10分遠くなるごとに-1,000万
低層階-500万
室内設備グレードダウン-500万(価格帯に対してのグレード)
ハザード-500万
都外-500万
日当たり悪い-500万

乗数

広い(80㎡前後)× 1.2
狭い(60㎡前後)× 0.8
タワー型 × 1.2(構造、共用部分のグレードアップ見合含む)
定借 × 0.9(新築70年)
中古の場合、あくまで大雑把な目安
築10年 × 0.9
築20年 × 0.8
築30年 × 0.7
築40年以上 × 0.6(直近リフォームなし)

実例

実際の価格と整合しているか、ネットで検索して目についた物件で確かめてみます。

・プレミスト昭島 実際5,500万円
(5,000+設備500)= 目安5,500万円

・ザ・タワー十条 実際1億300万円
(5,000 + 主要駅距離1,000 × 4 + 23区内500 - ハザード500) × タワー型1.2 = 目安1億800万円

・パークシティ小岩 ザ タワー 実際9,600万円
(5,000 + 主要駅距離1,000 × 3 + 23区内500 - ハザード500) × タワー型1.2 = 目安9,600万

プラウド新浦安パークマリーナ 低層広め 実際7,200万円
(5,000 + 主要駅距離1,000 × 2 + 設備500 - 低層階500 - ハザード500 - 都外500)× 広め1.2 = 目安7,200万

・ヴェレーナグラン門前仲町 狭め高層階 実際7,688万円
(5,000 + 主要駅距離1,000 × 5 + 23区内500 + 設備500 + 高層階500 - ハザード500)× 狭め0.8 × 定借0.9 = 目安7,500万

・(参考中古)ルネコーディス西巣鴨 築20年
(5,000 + 主要駅距離1,000 × 4+ 23区内500 - ハザード500)× 築20年0.8 = 目安7,200万

・(参考中古)豊栄平町マンション 築55年
(5,000 + 主要駅距離1,000 × 4 + 23区内500 )× 築55年0.6 = 目安5,700万

使い方

ざっくりと自分の好みと予算感を合わせるのに使えます。
例えばうちは広さは70㎡ちょうどくらいで低層階がよく、通勤はそれなりに近くしたいので
(5,000 + 主要駅距離3,000 - 500) = 7,500万円が基準といった感じ。

使いたい主要駅は池袋か東京で同じくらいの重要さだったので、そのどちらかから30分以内の駅で、遠くなるほど駅徒歩距離を厳しく見ていくことになりました。

ちなみに話題の晴海フラッグ(スカイデュオ)は普通の中住戸の目安が
(5,000+主要駅距離3,000-500)× タワー型1.2 = 9,000万円
で、新築販売価格は6,500万前後でかなりの割安、今出ている転売住居は1億越えなので少し割高に見えます。

その他の検討要素

定借マンションは物件価格が0.9掛けで安い一方、土地の賃料が累計で物件価格の0.1を下回ることはまずないので結果的に割高になることが多そう。

・中古は大きなリフォームをしていない前提の目安。自分で間取りも含めた大規模リフォームをすると割高になる代わりに自由な間取りを作れるので、生活が固まっている家族向け。

・間取りは価格に反映されにくい。

・物件の規模感は物件価格にはあまり影響しないが、管理費に影響するので大規模の方が物件予算は上げやすい。

自分にとって安く感じる物件とは

最も金額にヒットするのは「主要駅まで行くのにかかる時間」です。
なので、どのくらいの時間を許容できるかをまず決めて、そこから他の要素を優先度順に足し引きしていくのがセオリーになります。

また、徒歩と乗車時間の合計時間に比例しているので、もし徒歩が嫌いな場合は駅近かつ乗車時間は長めで選ぶと割安に感じやすいかと思います。

項目ごとには
・時間→リモート中心であれば重要度が下がる
   →複数路線を優先するならば複数路線×遠目で価格は下がる
・都外を許容するか→子供がいる・これから生まれる場合は都内有利(子育て支援額が厚い)
・広さ→間取りがよければ狭くても支障がない可能性も
など細かく考えていくことでも取捨選択できます。あまり細かく見過ぎるとと沼ですね。

候補をふるいにかける

基準となる主要駅と許容できる時間を決めれば、主要駅当たりにつき10~30駅程度に候補が絞られるはずです。
そこから駅ごとのおおよその許容駅徒歩時間を頭に入れて、広さや予算などを条件にして調べたり判断していくと候補のふるいわけが効率的にできます。

ふるいをかけて残ったものについて優先度の低い条件や他の環境を調べていく流れですね。

まとめ

マンションの価格は基本的には需要に応じて決まります。なのであまりにも高かったり安かったりすることはほとんどないはずです。
割高割安感は、個人の嗜好に合うかどうかにかかってきます。

言葉を変えると、市場の変数から自分に合うプラスポイントを追加し、気にならないマイナスポイントを取っていけば自分にとって納得感の高い物件にたどり着くということになります。

上に挙げた条件はかなりざっくりしていて、例えば時間は10分刻みでいいのかとか、複数路線使えるのはどうなのかとか、設備のグレードも段階があるのは当然そうです。広さもぴったり70㎡ということもないですし、眺望や方角も少しずつ違ってきます。

条件を付けすぎるときりがないので、自分や家族がどの条件を重視しているのかを絞り、その点で自分に合う物件をまず探していく姿勢が失敗しにくいのではないかと感じます。

自分は自分に合う物件が早く見つかったのでしませんでしたが、市場との乖離を確かめたい場合はマンションマニアさんなど独立した方にアドバイスを求めるのも有用だと思います。

相談する際にも自分のことを知っておかないと適切な質問ができないので、マンション価格の市場と自分の生活における優先点との関係性を大雑把につかんでおきたいところ。

さて、数年経ったらこの価格からどの程度変わっているのか。
その際に計算して確かめてみるのが今からちょっと楽しみです。

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