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ジオパークに ハマってしまった!     §4 第3回ジオパーク講座から       sono1 変化する世界谷地原生花園

※ 予定していた「第3回」は、栗駒山麓にあって、良くも悪くもこの地域「細倉」の名を広めた「細倉鉱山」の跡を改造!「細倉マインパーク」(ジオサイトのひとつ)の見学。しかし、この日、台風が接近!あえなく延期となり、第4回ジオパーク講座の「世界谷地ウォーキング」が先になってしまいました。開催順で、今回は「第3回」として紹介します。
※ タイトル写真を含め、今回の記事で掲載した写真は、すべて「栗駒山麓ジオパーク ガイドブック」より引用、掲載させていただきました。

▢ 世界谷地ウォーキング

 「世界谷地」(正しくは「世界谷地原生花園」)は、花畑で有名な湿地帯だった。残念ながら、現在は自然の営みの中で様子の変化が進み、以前ほど多くの花々には出会えなくなりつつある。それでも、ニッコウキスゲやワタスゲ、周囲の山々の紅葉、季節によって変わりゆく「緑」等々は、今でも自慢だ。  

ワタスゲの綿毛(写真:栗駒山麓ジオパークガイドブックより)

 木道が谷地内をぐるりと回っている。この木道は、湿地内を安全に歩くための設備でもあり、湿地を守るための設備でもある。「湿地を守る」とは「湿地の生態系を守る」ことでもある。人が湿地に入ると地質や生態系にも影響を与えてしまう。即ち、壊してしまう。
 ルールを作り、設備を施しても、「湿地」は自然の営みの中で変化していく。空からチリが降り、水は土を運び、植物も堆積して、少しずつ浅く・小さくなっていく。これに応じて、ここに芽を出し、育っていく植物が変わっていく。島ができ、地面が現る。すると、ここで生きる虫たちにも変化が起きる。虫たちを餌とする生き物の様子も変化する。
 僕たちは、自然が自ら様子を変化させていくプロセスと時間に、手を加えてはならないのだ。
 自然は「美しい」・「優しい」・「楽しい」そして「恐ろしい」。そんな話をしながら「花」が少ない晩秋の谷地を歩いた。目指すゴールは大地森の麓。

 途中から「紅葉」の終わりを告げる褐色の登山道へと入って行く。見たことがあるきのこやはじめて見るきのこ、透きとおったキノコ(ギンリョウソウといい、正しくはツツジ科の多年草)もある。講師のガイド氏が、説明してくれるが、僕は怖くて手を出せない。

ギンリョウソウ(写真:栗駒山麓ジオパークガイドブックより)

 やがて、傷ついた太い木の幹が現れる。「熊の爪のあと」だという。
 今年は、12月まで熊の出没が相次いだが、講師は「冬眠しない熊が増えているそうだ」と言う。熊は基本的に雑食だが、食べるために積極的に人を襲うことはしないともいう。山の「どんぐり」や木の実などを好んで食べる(主食は植物)。それが本年は山の「どんぐり」が大凶作だった。当然、エサを探して熊の行動範囲も広がっている。人が住むエリアと熊が動きまわるエリアが重なりを増していく。それが現在の状況を招いているのだ。

※ sono1は、ここまで。次回は「第3回ジオパーク講座」 番外編sono2「あるひ 森で クマさんのウンコに出会ったら」

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