僕はスピッツのチェリーを弾いている。
ギターを手にとって1年以上経過している。
バンド活動をするあてもなく、誰かに聴かせる訳でもないけれど、私はギターを手に取った。
独学でギターを弾こうと思い立ったら、今の時代は誰しもネットでその情報を集めると思う。
試しに、”ギター 初心者 曲”で検索してみると、練習曲がズラーっと表示される訳だが、ここでスピッツのチェリーが目に入ってきた。
スピッツの”チェリー”は私の学生時代に発売された楽曲で、私が断トツに口ずさんだ曲であり、何なら世界中の誰よりも口ずさんだのではないかと思えるほど、事ある毎に口ずさんだ大好きな曲だったりする。
「チェリーがギター初心者の練習曲だったなんて、これは僥倖だ」なんて思いながらギターの練習をちまちまと始めてみた。
そんな私だが、実は一度だけ音楽スタジオに知人と行った事がある。
ブルーハーツの「トレイントレイン」を当日弾こうと言うことになり、スタジオに行く当日までに「トレイントレイン」を弾けるようにならなければならず、周囲の足を引っ張らないようにと練習した。
これが意外とストレスだった。
バンド活動って団体行動だなと初めて認識した。
自分1人が演奏曲を弾けない状態でスタジオに行くと全員に迷惑を掛けてしまうのは容易に想像できた。
1人でちまちまと練習している時と比べて、追い込まれ方が段違いだった。
「だからバンド活動をしている人たちは上手いのか」なんて事を考えていた。
それ以降、音楽スタジオには行っていない。
自分を追い込むためにギターを始めた訳でもなかったので、何時ものちまちまとした練習に戻った。
向上心が無いためか、私はギターが一向に上達しない。
私は世界中の誰よりも口ずさんだであろう”チェリー”を今でも延々と弾き続けている。
お陰で世界中の誰よりも”チェリー”を演奏しているのではなかろうかと最近錯覚し始めた。
私にはギターを弾く目標が特にない。
強いて挙げれば誰よりも口ずさんだスピッツのチェリーを弾ける喜びの為と言うべきだろうか。
おそらく練習曲の中にチェリーが無ければ、ギターはもう弾いていなかったかもしれない。
私はスピッツのチェリーを今でも延々と弾いている。
しかしチェリーの2番は未だ弾き始めてすらいない。
それはこの先、もっと上達する為のお楽しみと言うわけだ。
蛇足
ちなみに最近スピッツのロビンソンも弾けるようになってきた。
何と言うか、延々とチェリーを弾き続けるだけでギターは弾けるようになるんじゃないかなと言う持論。