大組織の幹部たちの問題は、世の中からの隔離弧絶にある

あらゆる組織が社会、経済、人間に貢献するために存在する。

当然、成果は組織の外部にある。

それは社会、経済、顧客に対する成果として表れる。

企業のあげる利益にしても、それをもたらすのは顧客である。

組織の内部が生み出すものはコストだけである。

内部にあるものは、コスト・センターにすぎない。

成果は起業家的である。

ところが、外部の世界については、信頼するに足るどころか、適切といえる情報さえない。

そのため、管理的な仕事すなわち組織の内部の現象、事象、データについては惜しむことなく分析が行われてきたが、起業家的な活動については、それらの分析に比肩するものがほとんどない。

効率すなわち努力を記録し、定量的に把握することは容易である。

しかし、売れない製品を設計していたのでは、いかに効率的な設計部門といえども価値はない。

1950年代から60年代に躍進をとげていたころのIBMは、効率を問題にしなかった。

起業家的な発想を重視していた。

組織の内部に比べ、成果の表れる外部の世界は近づきにくい。

しかも今日、大組織の幹部たちの問題は、世の中からの隔離弧絶にある。

したがって、今日の組織が必要としているものは外部に向けた感覚器官である。

データが最も求められているのが、この外部の世界についてのものである。

:「マネジメント 課題、責任、実践」

組織が大きくなると内部の問題も増えてくる。

内部の人間に関する問題は適切にマネジメントする以外の解決方法はない。

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