見出し画像

なぜ諫早市は、パワハラ解決が遅いのか?

             令和6年6月9日

 諫早市施設管理公社(公社)が諫早市から指定管理で業務運営する温泉施設で支配人などによる従業員へのパワハラがニュースで報道されて1年となる。

 その間、同様に全国でパワハラが報道されているが、諫早同様に別法人でありながらわずか3ヶ月ほどで、第三者委員会の調査の実施を表明し、解決へ向かう事例が見つかった。それは、高知県の外郭団体、UIターンサポートセンターの事例である。
 高知と諫早を比較してみる。比較してみることで諫早市役所の正当性がわかるからだ。

 まず高知県の事例からだ。

 高知県のUIターンサポートセンターは、職員が25人の職場だが、この5年間だけで20人の職員がやめている。
 県から出向した理事長がパワハラをしている、うけたとする従業員や元従業員がオンライン署名をはじめていることが3月28日に新聞やテレビで一斉に報道された。

 こういうパワハラ事案のお決まりのごとく当該理事長はパワハラを否定したが、4月3日に同じく高知県と関わりある高知県信用保証協会でのパワハラが発覚した。

 高知県が出資、補助金を交付する団体で連続してのパワハラ発覚は、衝撃だったのか、
県知事も4月9日の定例記者会見で「パワハラ発覚を遺憾だ」と表明した上で、
高知県UIターンサポートセンターに「外部の専門家を交えて解決を図ることが望ましい」と助言していることを明らかにしている。

https://www.pref.kochi.lg.jp/chiji/doc/2024040900166/



 知事・県からの助言ならば、元県職員のUIターンサポートセンター理事長は無視できない。

 知事のそうした姿勢が実を結び
UIターンサポートセンターは6月4日、第三者委員会を設置して6月中の再調査を決めた。
発覚の報道から2ヶ月ほどと進捗が早い。


 

一方の諫早だ。新聞、テレビによる昨年6月の報道から1年たっている。しかしながら、被害者の会が要望する第三者委員会設置が実現していない。


 この1年でやったことと言えば、発覚後、3ヶ月間かけて諫早市施設管理公社へのアンケート(パワハラをうけたとする相談は4件受けたがパワハラに該当しない。パワハラはなかったと回答)

 諫早市は、最初の回答には、「十分に説明されていないところがある」として再度アンケートを実施。
 再度の回答まで数ヶ月かけた結果、やっと今年4月18日に諫早市は
諫早市施設管理公社が就業規則に定めるストレスチェックの未実施を指摘し実施するよう、協議による解決(第三者委員会設置ではない)
などを求めるといった指導をしただけである。

 その後、5月末に一連の運営管理をし交渉に当たっていた公社事務局長は退任し、後任には事務組合に出向していた現役の市職員が6月から事務局長に就任するなどしている。


https://www.city.isahaya.nagasaki.jp/uploaded/attachment/16213.pdf


報道から2ヶ月ほどで解決へ向かう高知と1年かけても交渉が継続する諫早。どこに違いがあるかだ。
それは、トップの姿勢である。


高知県の浜田省司知事は、事案の発覚直後から「遺憾の意」を示している。それは4月9日の高知県の定例記者会見を読むとわかる。

 一方、諫早市の大久保潔重市長は「遺憾の意」の表明は、公式には未だになく「あったとしたら遺憾だ」という仮定の話もない。

 それは、諫早市議会一般質問で、この問題を追及した中野太陽議員(共産)との答弁をみるとわかる。

市長が公式に発言するチャンスは、記者会見か議会答弁だが、記者会見で「遺憾表明」すればニュースになるが見当たらない。

議会質問は以下の通り。
https://www.city.isahaya.nagasaki.dbsr.jp/index.php/7545395?Template=doc-all-frame&VoiceType=all


 報道されていないところで言えば、高知のUIターンサポートセンターの理事長は、県職時代からパワハラの噂があったのかもしれないが、、
そこはおいておいても諫早の方「被害者の会」は、ニュース報道前(2年前)に大久保潔重市長の私設事務所に出向いて相談したと聞く。
知らないはずなどない

 諫早市はこれまで、被害者の会に対し
「市役所とは別法人なので関与できない」として「第三者委員会の設置」へ動いてこなかった。
高知県のUIターンサポートセンターも諫早の施設管理公社と同じ一般法人だ。
しかも、諫早市施設管理公社は、今回、前事務局長と似た経歴の現役職員を後任とした。

一方、高知県は、別法人の壁を乗り越えて、県が解決に向けて動いている。

諫早市が諫早市施設管理公社は別法人・団体で関与はないと言っても誰が信じるだろうか。

解決へ進む高知との違いはトップのパワハラ根絶への思いだ。


大久保潔重市長の奮起を望む。
公約の「チャレンジ」精神を見せてほしい。
不祥事対応こそ真価が問われる。





以下、高知県の報道

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?