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笑顔は力

先日、職場で仲の良い同僚とちょっと盛り上がって話していたら、後から出勤してきた他の同僚に「朝から元気で良いですね」と不機嫌そうに言われた。

「?」思わず2人で顔を見合わせた。
朝から元気なのは、イケナイ事なの?
2人とも、朝の戦争(朝食とかお弁当とか家事諸々とか保育園への送りとか)を一通り戦い抜けて、職場に駆けつけている。
既にエンジン全開状態。

どうもその他の同僚は、わたし達を「朝から元気でいられる程、毎日が楽しい充実した人たち」と捉えているらしい。

うーん。
半分正解で、半分は何となく不正解なんだけどなぁ。
確かに、日々楽しい。元気に過ごしています。
でも、その『楽しい』は初めから空から降ってきたり、地から湧いてきた訳ではない。

彼女は「毎日、家と仕事の往復で何のために生きているか、分かりません」と訴える。
それは、わたし達ふたりも同じだよ。
同じ職場なんだから、スケジュール一緒だよね。
そう思ったが、言葉にはしない。
彼女が求めているのは、正論なんかではなく「そうだよねー大変だよね」という同意だと知っているから。

「ある程度、楽しさって自分で作り出すもんだけどなー」
わたしの呟きに、仲の良い同僚が頷く。
小さな嫌な事はポロポロと降ってくるし、体が萎む程のため息を吐きたくなる事だって、結構ある。
愚痴を言うことも、呪いの言葉を吐いていることもある。ゴジラみたいに、辺り一面を焼き払いたい衝動に駆られる時も、もちろんある!
オマケに最近は年齢のせいか、体の不具合もチラホラ…笑
しかし、最後には「仕方ないね」と笑ってみる。例えそれが苦笑いだとしても。

脳は笑顔に反応するらしい。
自分の口角が上がっていると、例えそれが作り物で気分は最悪だったとしても、脳は「笑顔だね!」と判断してポジティブなホルモンを放出する、そんな記事を以前読んだことがある。

以前の職場はかなりブラックで、完全に毎日がキャパオーバー。
特にメンタルを消耗していたわたしは、週末恋人に会うたびに仕事の愚痴、不満、不安ばかりを吐き出し続けていた。
せっかくの週末、恋人と楽しい時間を過ごそうと思っていた彼は、さぞや嫌な時間になってしまっていただろう。申し訳ない。
最初は慰めたり励ましてくれたりしていたが、徐々にお互いの間の空気が悪くなり、早々にフラれてしまった。
あの時のわたしは、一から十まで、大変な大変なわたしを、とにかく慰めて同意して労って欲しかった。
あの時のわたしに笑顔はあったのだろうか?
全く無かったのではないか、と思う。

時々レジでも、全身を不機嫌でフルコーティングしたお客さんに会う。
で、あからさまな舌打ち、さらに運が悪いと、「わたし、ストレス発散に使われている?」と聞きたくなる扱いを受けることもある。
そういう場合は後で、文句半分笑い話半分で、同僚に愚痴る。
1つ確かなのは、不機嫌は不機嫌しか連れてこないという事。
卵と鶏のどちらが先か、ではないが、良いことがなくて不機嫌なのか、不機嫌だから良いことがないのか。

『イイオンナは機嫌の良い女』
と言っていた人がいた(女性)
フラれたばかりのわたしは、それを聞いて反省すると共に、酷く納得した。
正直、この言葉はわたしに影響を与えた言葉の1つだ。

自分だけではなく、相手やその場の空気を悪くしない事(良くする、というのは結構ハードル高いので、悪くしないというだけでも充分だと思う)
もちろん、我慢して我慢しての笑顔は無理が掛かる。きっとその内爆発してしまう。
適度にガス抜きして、でもそれだけじゃなくて、最後には小さくでも笑ってみせる。

先月、世界陸上をテレビで楽しんでいたが、アスリートの素敵な笑顔をたくさん見た。
その中でも、女子100M金メダル・200M銀メダルのフレーザープライス選手の笑顔が印象的だった。
緊迫した空間でも、カメラが向けられると常に彼女は笑顔を向ける。
2位になった200Mもゴール直後、ちょっと悔しげな表情が浮かび、直ぐに笑顔を浮かべた。
見ている人に力を与える笑顔だと感じた。

とりあえず笑ってみる。
なんか、イイカンジがしてきた。
そうすると、次のイイカンジが顔を出す。
そのイイカンジに手を伸ばしてみる。

とりあえず、この記事を書きながらニッコリと口角を上げてみた。
うん。
イイカンジ。

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