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おい、Amazon!

 『Amazon』とは、もはや説明する必要もないだろうが、世界的なネット通販サイトのことだ。

 きっとこれを読んでいる方も一度は利用したことがあるのではないだろうか。

 ちなみに僕はAmazonのヘビーユーザーで、通販でモノを買うときはいつもAmazonのお世話になっている。

 そんな僕がAmazonを使い出したのはおそらく高校生の頃。

 だからおそらくAmazonを初めて使って以来5年以上の月日が経過している。

 でもそんな長い間、Amazonはずっと僕のために色々尽くしてきてくれた。


 例えば、


・梱包が丁寧。
・配送状況を逐一教えてくれる。
・こちらが急いでいなくてもお急ぎ便で来る。
・「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」とか言ってオススメを紹介してくれる。
・実家に届くと気まずいアダルト商品はコンビニ受け取りにしてくれる(高校時代の思い出)。


 などなど。


 いろんな尽くし方をしてくれた。



 ここまで尽くされると、
「逆に尽くされすぎて何もお返しすることが出来ないボクのふがいなさに胸が痛むよ」
なんて思ってしまうほどには尽くされていた。

 あ、でも金払ってんだからお返しはしてるか。

 ふがいなさに胸痛める必要ねぇ思い上がるな。




 とにもかくにもAmazonにはお世話になっているし、全幅の信頼を寄せていた。


 配達の不備なんかもまず無いし。



 だから僕はAmazonのことを愛している。




 しかし、ここ最近。
 Amazonの様子が明らかにおかしかった。
 要は、尽くしてくれなくなった。






 2024年6月1日。

 Amazonでシャンプーを置き配で注文。

 風呂場のシャンプーがちょうど切れていたので、翌日配達のシャンプーを選んだ。

 翌日配達なんて仕事が早い。
 安定の尽くしっぷり。
 さすがAmazon。




 しかし翌日。2024年6月2日。
 シャンプーは届かなかった。

 あれ?おかしいな。なんで届いてないんだ?

 不安に思い、Amazonの「注文の追跡と管理」を確認した。


 するとあら不思議。
 シャンプーは6月2日に「お届け済み」になっている。

 いや?
 届いてないんだけど?
 どゆこと?

 その後色々考えた結果、住んでいるアパートの隣の部屋や下の階の部屋に、配達員が間違えてシャンプーを置き配してしまったのかなと予想し、僕はアパート内を捜索した。

 しかし、シャンプーはどこにも見当たらなかった。

 そしてさらに翌日(6月3日)になってもシャンプーが届く気配は無かった。


 そのため仕方なくAmazonに連絡した。


 オペレーターの方が対応してくれた。


「あの、先日頼んだシャンプーがサイト上では「お届け済み」になっているんですけど、実際には届いてなくて。どう対応したらよろしいでしょうか?」
「そうですか。大変申し訳ございません。配達員に確認したのち、後日配達させていただきます。お届けまでお待ちいただいてよろしいでしょうか?」
「はあ。じゃあよろしくお願いします」
「大変申し訳ありませんでした」
「いえいえ・・」
「・・・・・」
「あ、じゃあ、失礼します」

 電話を切った。


 結局シャンプーは後日届くことになった。

 しかし自分としては、ちょうど使っていたシャンプーが切れたから翌日配達のシャンプーを頼んだのに、「後日」じゃ意味ねぇだろと思った。

 仕方ないことと分かりつつも若干いらついた。

 その日の風呂は使用していたシャンプーの残りカスで凌いだ。

 泡立たねえったりゃありゃしない。


 おい、Amazon!
 なんでいつもみたいに尽くしてくれない?
 僕はAmazonのことを大切に想っているのに。




 ただ、これで終わりではない。




 そのさらに翌日(6月4日)、Amazonのサイトを見たところ、勝手にシャンプーの注文代金が返金されており、注文がなかったことにされていた。



 は?



 さすがにハッキリいらついた。



 いやいや、後日お届けしますってAmazon側が言ったんじゃん。だから俺は律儀にシャンプー届くの待ってたんだよ?頼んだシャンプーが届くまではシャンプーの残りカスと心中するって決めてたんだよ?それなのに勝手に返金処理して終わりっておかしくない?俺はこれからどういう顔して近所の「マツモトキヨシ」に行ってシャンプー買えばいいの?「マツモトキヨシ」の店員に笑われるよ?「なんで最初からウチでシャンプー買わないの?」って、ニヤニヤされるよ?

 おい、Amazon!俺は恥ずかしいよ!


 しかし、とは言ったものの、再度シャンプーを注文して届くのを待ってられるほど自宅のシャンプーは残っていなかった。


 だから結局「マツモトキヨシ」でシャンプーを買った。


 苦渋の決断だった。



 しかし、甚だ疑問だった。
 なんで急に俺のAmazonは尽くしてくれなくなったんだ?
 今まではこんなことなかったのに。
 さみしいよ!



 でもとはいえ、今まで受けてきたAmazonからの恩を考えれば、これくらいのミス、別に気にするほどのことじゃないかと思い直した。


 怒ってごめんAmazon。
 これからも仲良くしよ。

 だからそのさらに翌日(6月5日)、家で育てている観葉植物のために「観葉植物の土」と、観葉植物の周りに虫が湧くのを防ぐ「オルトラン」という薬剤をひとつずつ、仲直りがてらAmazonで注文した。


 これまたどちらも翌日配達のモノを注文。


 まぁ、もうさすがに、また配達トラブルが起きるなんてことはないだろう。


 そう、高をくくっていた。
 しかし、翌日(6月6日)。



 商品が届かなかった。




 いや、正確に言えば「観葉植物の土」は届いた。しかし、「オルトラン」が届かなかった。


 またかよ。
 なぁ、Amazon。
 俺のこと、キライになっちまったのか?
 なんで「オルトラン」を届けてくれない?


 疑問に思いつつ僕は再度、隣の部屋や下の階の部屋に「オルトラン」が置き配されてないか捜索した。

 また「観葉植物の土」が梱包されていた袋の中に「オルトラン」が入っていなかったか捜索した。

 しかし「オルトラン」はどこにも見当たらない。

 その上、シャンプーの時と同じように、Amazonの「注文の追跡と管理」には、「オルトラン」は「お届け済み」と書いてあった。




 え、どういうこと?

 まだ「お届け済み」じゃないよ。

 なんでAmazonは俺に尽くしてくれない?

 俺はAmazonのこと大好きなのに。


 もう、その日中に、その日の夜に、Amazonに連絡した。

 シャンプーの時とは異なるオペレーターが対応してくれた。



「あの、昨日注文した「オルトラン」が届いてないんですね。ええ。ですがサイト上だと「お届け済み」になっているんですけどこれ、どのように対応すればよろしいですかね?あ、ちなみに、「観葉植物の土」は届いてます」
「そうですか、大変申し訳ございません。改めて注文について今すぐ確認させていただきます」
「あ、今すぐ確認してもらえるんですね」
「ええ」
「ありがとうございます」
「では少々お待ちください。保留音が流れます」

 〜保留音〜

「お待たせしました。確認いたしましたところ、お客様、注文時に登録されているご住所なんですけども、英語表記で登録されていらっしゃいますか?」
「はい?英語表記?」
「あの、おそらくなんですけど、英語表記だったために配達員が住所が分からずに配達出来なかった可能性があるんですけども。ただ今住所のほう確認出来ますでしょうか」
「あ、出来ますけど・・」



 ナニ?住所が英語?
 どういうことだ?
 英語で登録した覚えなんて無いぞ。

 疑問に思いつつも、登録していた住所を調べた。

 すると、何故か住所がすべてローマ字表記になっていた。

 要は「東京都」が「Tokyo-to」になっていた。

 ローマ字表記に関しては身に覚えがなかった。
 でも、とにかく電話先にそのことを伝えた。



「すいませんローマ字表記になってました・・」
「そうですか。するとですね、おそらく配達員が住所を読めなくて配達出来なかった可能性ございます」
「読めなくて・・なるほど・・」
「で、大変申し訳ないのですが、今頼まれている「オルトラン」の注文はキャンセル、代金返金にさせていただき、改めてお客様ご自身の方で、住所を日本語に変更してもらって、その上で再度「オルトラン」を注文していただく。このように案内させてもらってもよろしいでしょうか?」
「わかりました・・」
「ただですね、今回の配達はあくまでこちらの問題ですので、お客様には代金の返金にあわせて、「Amazonのギフトカード300円」をお送りさせていただきます。よろしいでしょうか?」
「あ、じゃあお願いします・・」
「では、大変申し訳ございませんでした。住所変更だけよろしくお願いします」
「あ、すいません最後に、数日前に頼んだシャンプーも配達取り消しになってたんですけど、それもローマ字表記が原因ですかね?」
「おそらくそうだと思われます」
「あっなるほど。わかりました。ありがとうございました。失礼します」


 電話を切った。


 正直、頭の中で不満がばーっと浮かんできたせいで電話中ずっと浮かない声で喋っていた。


 とはいえ、いちいち不満をオペレーターの方に言うのも申し訳なかったので何も言わなかったけど。




 言いたかった不満は大きく言って2つ。



 第一に、配達員がローマ字表記を読めなかったという理由で商品が届けられなかったこと。
 いや、読めなかったから届けられないって理由なんだよ。
 読めよ。
 現に「観葉植物の土」はローマ字表記の住所に届けられてるんだから。
 読めないから届けられませんでしたって理屈は通用すんのか?
 仮に読めなくても読める人に確認するとかしてなんとか配達出来なかったのか?
 あと届けられてない状態なのに「お届け済み」表記にしたのは結局なんだったんだよ。
 もちろん住所をローマ字にした自分の落ち度もあるのだけど納得がいかなかった。


 そして第ニに、配達のミスをお詫びして「Amazonギフトカード300円分」くれたのは有難いが、だったらなぜシャンプーの配達ミスの時にもギフトカードくれなかったんだ?ということ。
 なんで同じような配達のミスが2回も起きてるのに1枚しかくれないんだよ。
 2回配達ミスってるんだから2枚くれよ。
 300円分じゃなくて600円分くれよ。
 ていうか今更だけど、なんでシャンプーは無断で配達取り消しにされてんだよ。
 おかしいだろ。


 というような不満を抱いた。



 でもそれよりなにより、おい、Amazon!


 なんで住所ローマ字にしただけで、尽くしてくれなくなっちゃうんだよ!

 俺たちの関係はもう5年以上。
 すっかり熟年。だろ?

 ローマ字くらいで態度変えすぎじゃないか?

 勿論俺の落ち度だけど、でも、さみしいよ。

 それに俺だってこの程度のことで不満を抱きたくないよ。

 住所は変更するからさ、そしたらまた仲直りして、これからも色々商品を届けてくれよ。な?

 俺さ、Amazonのこと好きなんだよ・・・。

 そう想いながら住所を日本語表記に変更した。

 改めて「オルトラン」を注文し直した。

 そして、翌日(6月7日)。





 日本語表記の住所の元に、なぜか「オルトラン」が2個も届いた。

オルトラン2個



 え、1個しか頼んでないんですけど。

 え、1個で充分なんですけど。



 後で調べたところ、キャンセルした分の「オルトラン」と住所を日本語表記にしてから買った「オルトラン」が、両方届いてしまったらしい。



 要は、行き違いで2個届いた。





 おい、Amazon!
 ねぇ、そこまで意地悪する必要あるか?
 ごちゃごちゃ不満言って悪かったよ。
 住所をローマ字表記にして悪かったよ。



 仲直りしてくれよお!
 尽くしてくれよお!
 ごめんってば!!!




 次にAmazonで買い物する時は機嫌が直ってくれてたらいいなと切に願う。

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