化石賞の不思議(なんで日本だけもらったかのような報道になるのか)

毎年開催される気候変動に関する国際会議COPに合わせて、温暖化対策に消極的な国に贈られる「化石賞」に、3回連続で日本が選ばれたとの報道がありました。

【不名誉】「世界の潮流に逆行」3回連続で…日本が“化石賞”受賞 COP27にあわせ発表 (tv-asahi.co.jp)

詳しくは、記事を見ていただければと思うのですが、授賞理由としては、
・日本は化石燃料事業への公的融資額が世界最多だった
・日本は、化石燃料にアンモニアや水素を混ぜて火力発電所で使い、最終的 
 には排出ゼロにする「ゼロエミッション火力」を輸出しているというが
誤った解決法を他国に輸出するために多大な努力をしている
とのことです。

大きなお世話ですが、まあ、日本の取組が理解が得られるかどうかの是非はあると思います。

しかし、報道の仕方には疑問を感じます。

この化石賞は、この会議が開かれている期間中に、毎日世界各国がもらっているんです。

2022年はまだ1日目ですが、
昨年の2021年でいえば、化石賞の受賞国は、

1日目 イギリス、オーストラリア
2日目 ノルウェー、日本、オーストラリア
3日目 アメリカ、フランス、(国際排出権取引協会)
4日目 ポーランド
5日目 ブラジル、オーストラリア
8日目 イギリス、サウジアラビア、メキシコ、チェコ
9日目 アメリカ、オーストラリア、セルビア
11日目 イギリス、ニュージーランド
 

といったように、沢山の国が受賞している意味があるのかないのかわからなない賞なんです。

1度の会議期間中にイギリスは3回、オーストラリアは4回も受賞しています。

でもこれらの国でも日本のように報道してるのでしょうか?
私はしていないと思います。

そもそも、これはあくまで世界の環境NGOの一部が参加する「気候行動ネットワーク(CAN)」が独自にやっているものに過ぎません。

それをあたかも世界が認定したかのような報道はいかがなものかと思います。

日本に批判的な論調にするにしても、ここでメディアがするべきは、日本が取り組んでいる「ゼロエミッション火力」が本当に政策としてよいのか悪いのかということを、中身をもって論じることなんじゃないでしょうか。

日本は、国際的には
2050年カーボンニュートラル
2030年までに2013年比でCO2の▲46%の削減
といった諸外国に遜色のない高い目標を掲げています。

そして、国内でも、GX(グリーン・トランスフォーメーション)は大きな柱になっています。

そういったことにも大して触れることなく、外国(それもNGOの)目を気にするかのような報道はいかがかと思いました。

(参考)
そうはいっても化石燃料を使う車はコストがかかります。
自動車の保有状況とコストはどれくらいか?(2000万円かかっても不思議ではない) (data-nippon.com)
 


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