僕は優しい history

実は僕、こう見えてクソ優しいんですよ。ほんと。
そんなエピソードです。

まぁ、これは僕の「モツ煮の余った汁の中に豆腐入れたらめちゃくちゃ美味くてびっくりしたからコレ週4で食べれるんじゃね?強化期間」2周目くらいのこと。

「もしや、これは豆腐じゃなく油揚げとか入れても美味いかもしれない」と前行で言った豆腐強化月間を根本から覆す様な禁じ手を考えながらスーパーに立ち寄ったところ、
目の前で出発したおじいちゃんの乗る白いセルシオのトランクが開いていた。

「トランク開いてますよー!」
そう叫ぼうとしたのだが当直明けヨボヨボ陰キャ人間だった僕には
「ア、トランクゥ、」
しか出てこなかった。まぁどのタイミングでも陰キャは陰キャだけどね。

しかし声こそ出せずとも僕はクソ優しいのでその車を追いかけた。トランクからチラチラと見え隠れする長ネギが僕に助けてと語りかけて来てる気がしたし、僕クソ優しいし

田舎特有の店内はそこまでだけど駐車場だけバカデカいスーパーの駐車場を手を大きく振りながらの全速疾走。

「トランクー!トランクー!おーい!トランク!」
よくこんな声出たなってくらいに叫んで車が止まる。

ウィイイィーシャアぁー!止まったぁ!
やれば出来んじゃん自分!とアスカ・ラングレーばりの自画自賛を心に響かせながら近づく。

ウィーンと開く窓、
おじいちゃん「なんや?」

僕「ゼヒュー…トランク…ゼェ…あいて…ゴヘッゴポゥッ ますよ…」

ちょっと吐くくらい走ってしまった。
口の中がちょっと鉄の味がする…

おじいちゃん「じゃあ、お前が閉めろよ」
ウィーン(窓の閉まる音)

ばたん!ガチャ!(僕がトランクを閉めた音)(即座に締められる鍵)

ぶーん、ブロロ
走り去るセルシオ。



その日、僕はモツ煮汁を捨てた。
週4で同じ味付けは流石に飽きるわ。あと2週間も同じ煮汁は腐ってそうだったし。

強化月間終了、久しぶりにパスタとか食いたくなった日だった。

終わり。

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