見出し画像

違うよ

ちょっと不思議な話。
同時にちょっと心がほっとした話。


親父の葬儀の日の2,3日くらい前から
肩と頭の痛みが続いていて憂鬱だった。


特に頭痛はつらい。
鎮痛剤を飲んでも効かない。


親父に取り憑かれたのではないかと
けっこう本気で考えてしまった。


結局、肩と頭の痛みは消えずに
葬儀当日を迎えることになった。


葬儀は進んでいき火葬になった時。


親父がこの世から消えてしまう
この時が一番つらかった。


親父の棺が火葬炉に入っていくのを
見送る時は涙を抑えることが出来なかった。


親父のために流した本当に最後の涙。


それから一時間位してからだろうか。


あれだけ続いた肩と頭の痛みが消えていた。


本当に親父が取り憑いていたのだろうか。







その日の夜、息子にその事を話した。


じいちゃんに取り憑かれてたかもって。


「違うよ」


息子は即答で否定した。


さらに続けて息子が話す。


「パパの痛みを持って行ってくれたんだよ」


親父が孫たちを好きだった理由が分かった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?