そろそろ三話も終わり

随分と引っ張ってきましたが、「まほろば流麗譚」第三話「思慕一途柳問答」もラスト3パートで終わりとなります。

第四話については、宗矩と澪の回となります。

そして第六話からは秋月が持っていない妖珠2つを求めながらのお話になります。

以前から話している様に、妖珠は全部で9つ。
うちひとつは大阪城の般若。
最後のひとつは、まほろばには出てきません。
そして、まほろばは般若を除く8体の妖怪を退治する物語です。

あれ?ひとつ合わない?

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これも以前お話した気がしますが、秋月家の子孫は「月に濡れる。」に出ております。
ただし、姓が変わっています。

あいつです!あいつですよ(笑)

そんなこんなで、後半戦は秋月が本格的に前に出てきます。

妖怪が8体で話数が10話。

つまり妖怪が絡まないお話があるのです。
同時に妖怪が絡まない以上、勇也たちの出番がありません。

前半パートはひたすら起きる災害の様な妖怪に対応していきますが、その裏にある動きが後半やっと見えてきます。

そしてラスト2体の妖怪と、そこに至る秋月草太の非道が明らかになります。

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今までの自分の物語では敵役にも共感する部分があったかと思います。

しかし今回の秋月家には、実はそんな部分は無いと思っています。

秋月は悪でしかありません。

戦国の終わりに如何にしたなら成り上がれるのか?
戦さ無き世にあるものは何か?
そこにはもはや、正面切っての力のぶつかり合いなぞは無く、願いすらも欲望として確実なる結論だけを求めるでしょう。

だから秋月は妖怪を生むのです。
自分の手を汚さずに結論を掴む為に。

さらに、それが叶わなければ
目を覚ました時に、大切な者が悉く奪われていたら
果たして秋月草太はどう動くのでしょう。

草太は熟成された男ではありません。
我儘で傲慢な青年でしかないのです。
怒りに満ちたその矛先は何処へ向かうのか。

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そんな感じで物語はハードさを纏うのですが、、
主人公は勇也です。

強大な最後の妖怪にも勇也は立ち向かいます。
が、あくまで勇也らしくです。

戦闘パートは柳生宗矩や服部半蔵が担いますが、秋月草太の心は勇也が折ります。

その最後の勇也には、何よりも強い気持ちが生まれているのです。

本来は戦う力を持たない市井の者が、悪逆非道な闇を破ってみせます。

江戸の未来は明るいですよ。

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そして本作での秋月の所業をあの人物は少し背負っていた様な気がしています。

あの幕末で悲しみの清算をしたのかもしれませんね。

秋月を操る者、最後の妖珠。
それは次作「三忍道中膝転げ」にて。

最終作「ブラッディカルマ」の最後の台詞は既に決まっています。

悲しい女に令和キッズがかける言葉です。

時代は巡る。
価値観は変わる。

だから最後はSF時代劇になります。
そして松方澪は、、

「ブラッディカルマ」の後にはある物語があります。
松方澪の最終作になり、この一連の物語たちの本当の意味での決着点にもなります。

ただ現在はこれを書くかは決めていないので微妙なんですがね。

敵と味方が時代の中で入れ替わっていきますが、秋月の願いは遥か彼方の物語まで繋がります。

そんな悪として生きる影なる者を、
陽の下に生きる市井の人々が打ち砕く様を
今はお楽しみいただけたら幸いです。


マブ


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