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Museo Picasso、パブロ ピカソ、“Sainte-Anne-la-Palud Mas del Quiquet" (1898)

1898年ピカソ17歳の作品である。この年から翌年にかけ、ピカソは同級生マヌエル・パジャレスとバルセロナから北方100キロ近くのサンジェルアンというい田舎町に滞在している。これはその時の習作の一つであるが、少年ピカソは田舎の農家の複雑な構造に興味を持ち、絵画的な視点から再構成、画面に定着させた。この美しい小品を眺めると、17歳のピカソが、絵画技術の全てを完璧に習熟していることがわかる。
この美しい作品を見て、セザンヌの構成、モネの色彩、ブーダンの筆触、モンドリアンのバランスなどを感じるのはわたしだけだろうか。
この時期すでに、画家としての素養の全てを見に付けていたピカソではあったが、パリに赴き、最初の自己のスタイル(それは“青の時代“と呼ばれている)を創造するまで、彼にはまだ12年の充実した時間が残されていた。

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