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父は笑いを堪えて私に問う 「本当に其れで良いの? 私「うん、良いの」 凮月堂の和風喫茶 並んで座る父と幼い私 父は和菓子に冷茶を所望 私は和菓子とソーダ水 優しい父の目が笑う 二十歳になりたてホヤホヤで 初めて入った喫茶店 メニューから選んだ其れは クリームソーダ クリームに向って プクプク上がる気泡 初デート 二人で入った喫茶店 彼は、アイスコーヒーで 私はクリームソーダ水 静かに上がる緑の気泡 呆れた顔で見詰める彼 デートは一度、其れっきり 未熟な恋は
[The prologue] 時は14世紀、地球から遠く離れた宇宙に赤く輝く新しい星が生まれました。 数年後、先に生まれた星と同じぐらい青く輝く星が生まれました。 地球ではイタリアのトスカーナ地方で、其々の星が生まれた時期に男子と 女子が誕生しました。 男の子は代々、国王の側近の騎士を務める家柄に産まれ名前はアンジェーロ、彼が産まれた3年後に貴族の家に産まれた女の子はラピサーナと名付けられました。 やがて、アンジェーロは逞しく美しい若者に成長しました。叉、ラピサーナ
2024年3月15日 今日は、暖かく天気も良いですね 秋に風と共に去って行った木の葉たち 地に留まった草木たちは 冬が去る日を待ちながら 寒さに堪えていた ポカポカ陽気に目を覚ました花々 ✒【花の香を消す恋猫のマーキング】 ✒【春の野に千紫万紅風踊る】 ✒【春空の陽射し儚く小雨降り】 ✒【地に有りて草木も目覚む春陽かな】 ✒【春雨や蕾も咲う木々の枝】 眠りから覚めたクロッカスが 「皆さ~ん、お早う御座いま~す」と ソプラノで挨拶をする 「女神フローラに急かされ
久し振りに見た夢 未明の夢 窓から空を眺めていた 南の空に男性か女性か 上半身のシルエットが浮かんでいた 突如、両の目から光の帯が 西の空に向かい流れ消えた 暗くなった空を見上げる 様々な宝石を散りばめたように 星が輝いていた 真正面の天空には オリオン座が輝いていた 庭に出て天上を見上げる 満天の星空に畏敬の念 場面は変わり 山の頂上らしき所 周りには何も無かった 山の頂上 広い空間に一人佇んでいた 辺りは針葉樹の森に囲まれていた それらの木々は果てしな
〽[林檎の花ほころび 川面にかすみたち 君なき里にも 春は忍びよりぬ] 小さな声で口ずさみたい季節です。 春 柔らかな光の季節 川の流れに陽射しが煌めく 川面に浮かぶ白い花 清純なオフェーリアのようだわ 夏 向日葵は太陽の長女 貴方の横顔に目を留める 端正さの中に優しさが溢れる 神がその面を彫るとき 鑿《のみ》の手元が狂ったのか 完璧さに影を落とす頬の線 それは魅力的なスパイスとなり 出逢った人を魅了する 秋 移り行く季節の儘に 緑の葉を残しつ 黄色から
あの人が去った後 落ち込み悶々とした あの日から漸く落ち着き 此れからは 新たに歩む路を 見付けた気がした しかし、..... 時は流れる水の如く 私もさからわずに流れています 幸せは、あの日を境に 置き去りにしました 私は独りで歩んで来ました たとえ其の後ろ姿が 寂しそうに見えても 私は定められた道を行きます 其れも又、ひとつの幸せ 然し、あの時は止まった儘 私の後ろを供人のように付いてきます 私の前の道は何処へ 続くのかしら... いぇ、私は独りに慣れています