ステンドグラスは 虹の親戚 雨の親戚は 涙ではない
ガラ空きのポットの中は おもちゃ箱になるけれど パンプキンパーティは 出来なさそうだから 電源は消したままにしておきます
壊れたメガネ 止まった時計 穴の空いた靴で 夢見てもよかですか? こぼさないように しますから
悪魔に身を売ることを選び ショーケースに並べられて やみくもに己を着飾っていたら 飼い猫に噛まれて 猫になった
メリーゴーランドに 雪は積もらない 馬が食べてくれるから いつかはにんじんが 落ちてくると思ってるんだな
死海にも浮かない場所があるだろうため息吐いてソワソワすれば ゴミ箱に空き缶つまりパンパンで虫が侵入する隙間無く 初雪を桜で包む贅沢を死にゆく前に味わいたくて
この靴は何足目の靴 初めての靴は キャラクターのだったとおもう それからくらべると 大分好みが変わりました 性格は 変わってないのに
涙は川にならないが 海にはなるのです 住んでる街にある なも知らない海が あるでしょう それがそれです 見つけた時は 涙を流してください
古い日記に 楽しいと書かれてあった そんな日はなかっのにと 首を傾げていたら思い出した そんな事を書いていないと 生きてはいけなかったよなと
肉片すら残さないで 爪は全て剥がれ落ちていた 男は喚き怯え 人形は嘲笑う 人形の口には男の腕の皮が垂れ下がり 赤みを帯びた八重歯の鋭さが増す 男の妻は子供を連れて逃げようとするが 人形に追いつかれて 意識を失くした 子供が狙われなかったのは 人形のご主人様だから
整理整頓された タイムスケジュールは 無駄なところがない 隙間を歩き回る シロアリでさえ 踵を返す始末だ こんな真っ当な道を 歩みたかったわけではないが 老人の背中を見ていたら こっちの方が楽だと思ったからだ 斜め四十五度に傾いた鉄塔を 登り始めたカピバラは 落っこちてくるバクの遠い親戚 血縁なんて何の役にもたたないので スルーしていたら 居留守を決め込んでいた 恋人を寝取られました もはや私は囚われの身 鉄格子の中でトワエモワを聴いている
後悔と言う名の海を航海したら 一つ一つの波に 涙を吸われる 泳ぎ切るのは難しく スノーケルと浮き輪は 必需品 カナヅチをノコギリに変えて 錆びつく前に 渦潮を切る切る切る 地上のブラックホールは 心の隙間 這いずり出た頃には 遠い日の残像となる
赤い鞄の中では 蛇の抜け殻が うじゃうじゃと 縄張り争いしているよ チャックを開けたら 大惨事 丑三つ時まで待つとしよう
① 夜に咲く花のようねと母笑い草上蛍(そうじょうぼたる)無限ではなく ② 言の葉に頬を叩かれ泣く君に傘を渡したなごり梅雨の日 ③ 星玉(ほしだま)と君が名づけたこの涙天の川まで届くこと無く
① 君纏う私好みの風浴衣(かぜゆかた) ② 野良猫が夏に目配せしていたよ ③ 文字の無い絵葉書届く夏休み
悲しみを紐解いたら 可愛くない赤ん坊の 僕がいました 誰からもあやされないので 橋の下の影に たどり着いたのです