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ペットショップを覗くタイミング

・近所のスーパーへの道の途中にペットショップができた。犬が好きで、猫がさらに大好きなので時間があれば買い物のついでに寄るようにしている。

・この買い物のついで、というのが曲者で。帰りに寄ると荷物が増えていて、都合が悪い。かと言って買い物の前に寄ると、用事が終わっていないのに寄り道をしているという決まりの悪さと猫に満足してそのまま帰宅してしまう(過去1敗)危険がある。

・結論が出ないまま数ヶ月が経ち、気分で前後を決めている。気分で決めるという結論を出したと言ってもいい。

・ペットショップを覗く時のルーティンの方は結論が出ている。まず店に入ってすぐの猫コーナーを敢えてスルーし、奥の犬コーナーに向かう。一通り「犬、かわい〜」と思ったら猫コーナーに戻り、あの犬をも上回る愛らしさを放つ生き物を鑑賞するのだ。正直なところ、かませ犬にされた犬たち(かませ犬にされた犬???)には申し訳ないと思っている。犬好きの人が逆のルーティンを行って、世界のバランスを整えておいてくれたらいいな。ぜひお願いします。

・猫コーナーに着いたので、しばらく猫を見る。

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・どんな猫も可愛いが、ペットショップに並んでいるような子猫は本当に毛並みも顔も整っている。見惚れていると品種(犬種は言うけど猫種はあんまり言わないね)と値段の書かれたボードが目に入る。自分にはとてもポンと出せる金額ではない。見てろよ、いつかは必ず…

・ふと気づいたことには、そのボードには品種と性別、軽く性格の説明がある。しかし、その猫の名前は書いていない。考えてみれば飼い主が購入したタイミングで名付けるのだから、名前がないのは当たり前だが、これほど個体として大事に扱われている生き物に名前がないのはなんだかアンバランスな気がして面白い。ここにいる全ての猫が「吾輩は猫である。名前はまだない」と言うことができる。全員が主人公のポテンシャルを秘めているのだ。

・ペットショップの店員は個人的に名前をつけたりしているのだろうか。餌をあげるときになんと呼びかけるのだろう。名前をつけてしまうと買われていったときに悲しい気持ちが残りそうだ。あるいは、飼育員と動物とは違って店員と商品の関係であるから、あまり愛情は注がないようにするのだろうか。

・もうすぐ13時になる。この店では13時から14時がお昼寝の時間とされており、その間は仕切りが下されて外から見えないようになる。ちなみに14時直後に訪れるとほとんどの犬猫は起きておらず、天使の寝顔が見られる。今は帰り道だから今日は粘らず帰ろうかな。

・また会いましょう、名もなき動物たち…

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