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真相は藪の中

 昨日は、新しいほうの学校の成績処理締め切り日で、学校ごとに微妙に違う成績処理のやり方の落とし穴に、思いっきり落ちてしまった。
 入力した成績を印刷したいのに、上手く行かない。
 自分では思い込んでいるから、どこが悪いんだろう??状態で、こういうとき、古いほうの学校なら、リス子先生あたりがすぐ教えてくださるんだけどな~。と、暑すぎる準備室で独りパソコンに向かって、途方に暮れてしまった。
 ちゃんとマニュアルもあって、とてもとても丁寧な解説が入っていて、それを読みながらやっているのだけど、こういうものって政経の資料集並みに情報量が多く、そもそも知識のないわたしには、これを短時間で読んでみても、自分の間違いを探し当てることができない。ごめんなさい、としか、言いようがない。だめだ、時間がない。

 授業もあるし、締め切り時間もあるし、これはもう、誰かを捕まえて教えてもらうしかないな。でも、先生の名前さえ分からないし、学校要覧には「情報担当誰々先生」と数人の先生の名前が書かれているけど、素人にはそのうちの誰に訊くのが適切かさえ、分からないのです。夢の中を走るよう……。
 しかも、どこの学校でも情報担当の先生は、忙しさのあまりなのか、そういう作業をすると人の性質として陥りがちなのか(パソコンやスマホでわけの分からない手続きをする時って、人って余裕を失いませんか?そういうときのとある予備校生とか、絶対近づきたくない。)、迷惑感がふと顔に表れます(特にこの成績処理の時期)。当然のことです。
 迷惑なものは迷惑なので、それは素直に迷惑がられてしかるべきだと思うので、迷惑そうにしないで欲しいとは思わないのですが、やっぱり立場上自分が迷惑をかけていることをヒシヒシと感じて、微妙に遠慮がちになってしまいます。
 人とつながりの薄い世界って、こわい!いつも一歩動くと、迷路の中で迷子になっているような感じがします。そういうシュールレアリズムの絵って、ありませんでしたっけ。ないか。




 でもぐだぐだ思っていても時間が経ってしまうので、パソコンを持って渋々職員室へ。

 入ると、一番入り口の席の蝶子先生が「どうしたの?」と、声をかけてくださいました。さすが、神様からのおくりもの!
「実はこれこれで、どうしても分からないんですが、誰に聞いたらいいかも分からないんです。」
というと、一緒にしばらく考えてくださったのですが、やっぱり分からない。それで、蝶子先生が、斜め前の、数学のアライグマ先生に、
「アライグマ先生、お忙しいのにすいませんが、先生これお分かりになりますか。」
と、蝶の一声で訊いてくださいました。
「さあ、分かるかなぁ。」
と、言いながら見てくださいましたが、
「いや、これであってるはず。これは、情報に持って行ったほうがいいよ。」
と、言われました。うゎ~、やっぱり、情報……💧。
 じゃあ、と蝶子先生が、訊くべき情報の先生を教えてくださって、職員室の席の道案内までしてくださいました。


 そこで示された情報の先生、若い先生で、YONEXのスポーツバッグを足下にワイルドに置いていらっしゃいます。
 ああ、この方、何回かお見かけしたことのある……、あれ?YONEXってもしかして、とある予備校生の部活の顧問か副顧問の先生じゃないのだろうか?たしか、お二人とも理科の先生とか言ってたけど。と、机の上を密かにチェックすると生物の教科書が……。

 前にも言ったとおり、とある予備校生は自分の学校での知り合いを実名報道しないので、部活の先生のことも「正顧問が」とか「副顧問が」とかしか言いません。だから、きっと今年、職員室で、廊下で、何度もすれ違っているんだろうけど、それが誰だかよく分からない。
 でも、今はそれはどうでもいいので、追求しない。

 YONEX先生、やはり、この時期だから、別の先生と別の件で話している。パソコンを抱えてちょっと待っていると、その間に、公民科主任の、わたしの高校時代の部活の先輩のK先生が職員室に現れて、
「どうかしたの?」
と、おっしゃるので、
「実はこうこうで、情報の先生に訊いてみようと思って待っています。」
と言うと、また、K先輩先生も一緒に考えてくださいました。二人で、ここだろうか、こっちだろうか、と考えるけど、そもそも正規の先生のと、わたしのと、微妙に違ったりもして、やっぱり分からない。結局、YONEX先生へ。

 YONEX先生、
「たぶん、そういうことじゃないかな~、と思って見てました、さっきから。」
とか言いながら、
「ああして、こうして、……と、やってみて下さい」
と、テキパキとわたしにその場でやってみさせて、最後の印刷のところで、選ぶ2つのボタンのうち、わたしが間違えて押しかけた、片方のボタンのところで、
「あ、そこ!」
と、間違いを指摘。
「!」
となるわたしに、
「マニュアルにも書いてありますよっ😊」
と、言ってのけるこの感じと、わたしのミスを見逃さないこの感じは、やっぱりとある若者の話に登場していた「副顧問」に通じるものを感じたんですが、どうなんだろう?どうなんだろう?



 おかげさまで成績は、時間ギリギリで提出できました。

 というわけで、わたしの煮え切らない性格のせいで、結局たくさんの人を煩わせた、という話でした。次はがんばります!

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