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番外編

今年度の普通の授業はとっくに終わって、考査も終了。
採点も終了。
で、最後の最後に、テスト返却の特編授業というのがある。
授業というより、ただ、テストと提出物を返すだけの25分間の時間。
 (×4クラス。)
時間が短いので、普段のゆっくりペースでは間に合わないが……。



            ★ ☆ ★



 ……キーンコーンカーンコーン♪

 教室に入って、挨拶が終わると、すぐ、

 平均点は??

の声。

 平均は、73.5点かな。

 うぉ~、高い!
 終わったワ~~!
 高すぎませんか~?
 なんでそんなテスト作るんですか~!もお!!

の、どよめき。

(最後だからってみんなが急にがんばるからじゃない?)


 最低点は??  欠点はいますか??
 (言い渋るわたしに、)言っても大丈夫ですよ!
 そんなの気にするメンタルのやつはここにはいません!
 言って!!言って!!


  え~、最低はね~、う~ん……、
  言うほどそんなに悪くないよ?まあ、四十……点、後半ぐらいかなぁ?

 みんな口々に、オレだ、オレだ、いやオマエだ、と騒いでいる。


  ……それじゃあ、テスト返します! 出席番号順に取りに来てね。
  ついでに、提出物も自分のを忘れず持って行ってね?
  あ○○くんから、ど~うぞ!


すぐに行列が出来て、大はしゃぎしながら受け取っていく。
今回は、みんな大変よく出来ていたので、
誰も彼も、わりと機嫌良く取っていく。
特に、いつもは低空飛行な運動部組が、妙に点数が良くて、
(多分、平均点インフレの原因は彼ら)
本人たちがあまりにびっくりして、大声で騒ぐので、
わたしも内心、
「採点間違い?」
と、ちょっと失礼な不安に陥る。
でも今回は、不謹慎発言のバド部くんも、
過激発言のソフテニ部前衛くんも、
本人たち曰く、危険を感じて「本気でガチった」らしい。




 じゃあ、答えを配るから、間違いがあったら言いに来てくださいね?


と、解答を配る。それぞれ一生懸命◯の数を計算している。



気をつけていても、わたしの場合、
クラスに一人、二人ぐらい計算ミスが発覚する。
ゼロはめったにない。
ごめん、ごめん、と、得点を修正。
少年たちは、お互いにテストの合計点で勝負しているらしく、
「先生!」
と、手を挙げて、
「チャレンジしてもいいですか?」
と、教卓のところに寄ってきて、
上がる可能性を求めて、いろんな面白い理屈を言ってくる。
それはもちろん、✔ のままである。


逆に、中には、
「ここ、間違ってますよ。」
と、わたしが間違えて ✔ を ◯ にしているのを
ちゃんと持ってきてくれる立派な人も、たまにいる。
わー、スポーツマンシップだ。
(申し訳ない……。)


そんな中で、
なんと、今回は一人、
間違えて10点も低く計算してしまっていた人がいた。
明らかに、ひとかたまりの問題の小計を
丸ごと計算し落としていた。
わたしが、申し訳なさに凹みそうになっていたら、
「大丈夫ですよ!全然気にしてないっす。
 オレ、他のは全部こんなに良くないんで。
 これでも公共が一番点数良いんで。😊」
と、慰めてまでくれるバレー部。

わー、なんてやさしいんだ~、高校生。
(過去、バレー部はすごくマイペースだなんて思ってしまって、
 本当に悪かったな…。
 実は意外に気の利いたことも言える、思いやりある少年だった。)



 キーンコーンカーンコーン♪

 じゃあ、終わりま~す。
 起立! 気をつけ! 休め! 気をつけ!
 礼! 

 ありがとうございました!!


 ありがとうございました😊


                 ハイ、終了。😊


 

 



 


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