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夜明けのすべて(ネタバレはないはず)

昨日から公開の映画を観てきた。
派手な展開はない、特別華やかな王子様系男子や誰もが羨む美女が主人公なわけではない、本当にそこらへんにいる私たちみたいな人が、悩みながら、苦しみながら懸命に生きていくうちに、気づいたら色々な人の優しさの中にいた。そんな映画だった。

端正な顔立ちの松村北斗が、立ち方と喋り方と身なりであんなに野暮ったくなることに驚いた。
小動物のように愛らしい上白石萌音が、PMSで豹変する姿があまりにもリアルで慄いた。

小さな会話ひとつひとつが、ただ日常を紡いでいるだけなのに愛おしく思えて泣けてきた。
本来カットされるような些細な動作を拾い、本来心の声ででも読み上げそうなやり取りを拾わない、その監督の映像に心が打たれた。

そうだ、こうして私たちは生きているんだ。
華やかに見える職業の人だって、SNSでやり取りしてる人だって、多分毎日頑張って、悩んだり笑ったりしながら、生きてる。
これでいいんだ。
これが人間なんだ。
失敗したって大丈夫。
明日も生きれば大丈夫。
観終わって、頭の中で再生して、自分の中に丁寧に濾過したら、そんなことを思った。

とっても良い映画だった。

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