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わたしについて⑩

『本当の本物とは、正直であること、誠実であること。』

これは、今、わが家に無造作に積まれている書籍のなかから拝借した一文だ。

このタイミングで目にしたことに運命を感じている。
だって、まさに、今、わたしが無意識にとらえていたことを言語化したものだと思ったから。

自分の残りの人生を真剣に考えると『本物になりたい』ってことだと思うから。

わたしは、結婚したことで自分の人生が一変した。
親元からはなれられたのがいちばんの変化だったが、目には見えないものがいちばん大きいと思っている。

それは、『本気で人生を送っているひとって、こういう感じなんだ』と認識できたことだ。

夫は、本気で人生を送っているひとだったのだ。

だから、子どもができるまでのあいだ、生活を共にするうえで嫌なところをあげればキリがないほどいろいろあったのだけど、そのつど、わたしが文句(わたしの中では建設的な意見)を言い続け、わたしが健やかに生活できるレベルには改善されるまで辛抱できたのは、このひとの生きざまを近くで感じていたかったのが大きいと思っている。

(まあ、わたしの場合、経済的に自立できていなかったことと、実家に戻りたくなかったというのが大きいと思うけれど……)

そんな『運命のヒト?』と家族をつくり、それなりの幸せを手に入れることができたわたしが、これからの残りの人生に、あらたなスタートラインを引こうともがきはじめたところで『わたしについて』を完結する。

ちなみに、冒頭の一文は、夫の所属するチームが最近、翻訳した書籍から拝借したものだけど、わたしがこっそり読んでいることを夫は知らない……(鈍感なのよ、笑)

それと、これからも、わたしが文句(わたしの中では建設的な意見)を言える関係性をこわさぬよう、尊敬の念を夫にみじんも感じさせない妻でいるように、引き続き尽力していく所存でいる、笑。


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