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わたしについて⑦

無事にとどこおりなく専門学校の2年間を終えて、本格的ないわゆる『シューカツ』というのはせずに就職先がみつかり、晴れて新社会人になれた。

その会社は、定期的には新卒採用はしておらず(親会社の天下り先?島流し先?のひとつだったのではないかと解釈している)、めったに入ってこない新人をなかなかの歓迎ムードで出迎えてくださり、新社会人としてのスタートはよい印象しかない。

一緒に入社したいわゆる同期にあたるかたは、親会社の支店の派遣社員から正社員として入社することになった5歳年上の女性だった。

配属された部署はちがったが、新人研修などはふたりで出向いて受けていたので、それはそれは、とても心強かった。

わたしの直属の上司は、親会社の海外支店での勤務が長かった(出世コースからは外れたと認識している)かたで、わたしの父と同世代だったが、人としての器や人としてのあり方、物事のとらえ方がわたしの父とは違いすぎて、かなりの衝撃をうけたことを覚えている。

きっと、世の娘たちは、自分の父親から、父親の背中から、こうして学んで成長していくにちがいないと(いま思うと)実感していた。

わたしは、会社での何気ない日常のなかで、上司や一緒に働くかたから学ぶことや気づかされることが多く、会社を通し、仕事を通し、自分の人生をより良くおくる意義や意味を、少しずつ見いだすようになったのではないかと思う。

いま、こうしてふり返ってみると、わたしの人生の本当のスタートラインは、ようやくこの頃に引かれたのだ……





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