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真のダイバーシティとは

「多様な価値観」とは、

みんなが「焼肉を食べたい」というときに、1人「ラーメンがいい」と希望することです。

「そんなやつは迷惑だ」と思われるかもしれません。「足並みをそろえない」「ムードに水を差す」「空気を読まない」……さんざん非難を浴びることでしょう。

でも、深夜に全員で腹をすかせて、はるばる食事に出かけたのに、肝腎の焼肉屋が休業・閉店していたら?
全員「焼肉」のことで頭がいっぱいで、ほかの飲食店はまったく調べていない。近所に店があるかどうかもわからない。このままでは食事にありつけません。
そんなとき、ただ1人ラーメンを食べたがっていた彼が「俺、24時間営業のラーメン屋を知ってるよ」
全員、あれほど非難していた彼を連れてきたことに、ほっと胸を撫で下ろすでしょう。多数に同調しなかった彼の存在に感謝するはずです。
もし仲間外れで置き去りにしてきていたら、ろくろく眠れない空腹の一夜を過ごさなければならなかったのですから。

「異分子」を排除する社会は、ちょっとしたきっかけで、あっけなく全滅する恐れがあります。「異なる意見」は、もしものときの保険であり、最悪の事態が発生したきに集団を救うカギとなるのです。

「ゲーム理論」という数学理論に「タカ・ハトゲーム」なるものがあります。一つの集団が安定を保つには、攻撃的な「タカ」と温厚な「ハト」が適度に混ざり合っていなければならないという考え方です。
もし「タカ」ばかりだと、互いに傷つけ合って、いずれコミュニティは自壊します。逆に「ハト」ばかりでは、外敵に襲われても誰も抵抗せず、全滅してしまいます。

白を際立たせたければ、全部を真っ白に統一するのではなく、どこかに異物(差し色)を入れるもの。
「一致団結」「みんなで力を合わせて」というのは、聞こえのいいセリフではありますが、実態は極めて不安定な状態であり、「危険な賭け」にすぎません。
「価値観の違い」こそが集団の「強靱さ」を生む。
これこそが、本当の意味での「ダイバーシティ(多様性)」です。

「ノーマスク」「反ワクチン」という「異分子」を許容できない社会は、極めてもろいものです。

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