見出し画像

「超過死亡」を分けて捉える

前回も書いたように、ミクロ(限定的)のデータを何十、何百持ち出したところで、マクロ(全体的)の結論

マスクに感染予防効果はなし

はビクともしません。
3年にも及ぶ同一集団(全人類)の膨大なビッグデータがそれを明確に証明しています。

以前に「激流を遡上する水分子」の例で説明したように、一部分だけを取り上げれば、流れの中で渦ができたり、障害物に跳ね返ったり、あたかも「逆流しているかに見える」水分子を幾つも見つけることは可能でしょう。
だからといって、「この川は下流から上流に向かって流れている」とはなりません。全体を俯瞰すれば簡単にわかることです。

ところで、「ワクチンによる超過死亡」に関して、こうした反論があるようです。

「2021年1~3月にも超過死亡が増加しているのだから、ワクチンが超過死亡の原因ではない」

そう、超過死亡は、実は日本で「ワクチン接種が開始された4月以前」にも発生していたのです!
まだ誰もワクチンを打っていないのに超過死亡が生じている。ゆえに、ワクチンが超過死亡の原因とはなり得ない、というわけです。

これこそまさに、さきに私が述べた「逆流する水分子」の典型。(都合のいい)一部だけを見て全体を俯瞰しないから、そういう間違いを犯すのです。

もっと長期にわたる超過死亡のデータを見れば、12~3月くらいに超過死亡が増加するのは、2021年どころか、2020年、2019年、2018年、2017年……毎年起きている現象だと気づいたはず。
生命力の衰える「寒い時期に人が死ぬ」というのは「自然の摂理」であり、不思議でも何でもありません。

したがって、ワクチン接種が始まる前の2021年初頭に超過死亡が増えたところで、ワクチンとは関係なく、「毎年起きていることが普通に起こった」にすぎません。
ましてや、前年の2020年は「パンデミック元年」だったにもかかわらず、「超過死亡が減少」するという前代未聞の事態が発生しました。言い方は悪いですが、「平年なら亡くなっている脆弱な命が持ちこたえてしまった」ということです。
その反動で、どこかで超過死亡が急増する時期が来ると私は予測していましたが、それが、ただでさえ人が多く亡くなる(ワクチン接種前の)「寒い時期」に訪れたというだけの話です。

接種前の超過死亡と接種後の超過死亡は切り離して考えないといけません。

ワクチンが登場して以降は、多くの人が指摘しているように、接種と超過死亡が見事にリンクしています。
とりわけ納得できるのは、ワクチン接種後に起こった様々な副作用と死亡例のグラフが完全に一致していることです。
どちらも接種直後に最も発生率が高く、時間の経過とともに低下していきます。これは、両者が「同一の機序」によって起こっていることを強く示唆します。

ただし、私の見解がちょっと違うのは、誰もが「接種直後の直接死」ばかりに注目している中、「関連死」の影響のほうがずっと大きいと考えているところです。

ワクチン接種で一時的に増えた中和抗体は、確かに短期的には感染を抑える効果があるようです。「デルタ株」といっても、すべてのスパイクが「デルタ仕様」になったわけではなく、「武漢スパイク」も混じっているため、そこに抗体がうまく結合すれば、細胞への侵入を阻止できるでしょう。
でも、その結果、「抗体をすり抜けた」変異種の増殖を許し(変異を促進)、これが数か月後に「変異株の登場による次の波」を招くわけです。

そうなると、接種者は、ただでさえ抗体が減少しているうえに、抗体が作られても「古い型」ばかりになる(抗原原罪)ため、非接種者の何倍も感染しやすくなります。かくして、接種者を中心に高い「波」が生まれるわけです。
接種者は「ワクチンもどき」の効果により、ADEや免疫寛容によりウィルスの増殖爆発を招きやすく、そこで大量の「関連死」が生まれ、「超過死亡」を押し上げていると考えられます。

※私が目測を誤っていたのは、1・2回接種者が3回目の接種をしなければ、半年程度で元の免疫状態に戻るだろうと考えていた点です。甘過ぎました。どうも半年程度では、接種前の状態にまで回復しないようです。

大勢が摂取することで「淘汰圧」が生じ、新たな変異を生み、自分たちが生み出した変異株により「高波」を起こし、その「波」の呑まれて「大量死」するという図式。
これほど愚かなことがあるでしょうか。
接種さえしなければ、デルタ株もオミクロン株も(すぐには)生まれず、「超過死亡」も起こらなかったのですから。

ともかく、目先のミクロデータに飛びつくのではなく、できるだけ広い視野を持ち、「現象全体」を説明できる理論を構築することが肝要です。

おしまいに、福島教授のおっしゃる「曲学阿世(きょくがくあせい)」なる言葉を初めて聞いたという方もいらっしゃると思いますので、参考までに。

「世」に「阿(おもね)って」「学」を「曲げる」

「人気を得るために学問を捻じ曲げ、権力者や世間に迎合する」という意味です。簡単に言えば、「卑劣漢」「卑怯者」ですね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?