「食人鬼」から「皇帝陛下」へ
これは、ジャーナリズムを勉強した人には、わりと有名な話です。
まずは、仏のル・モニトゥール紙のナポレオン・ボナパルトに関する記事の変遷ぶりを、とくとごらんあれ。
エルバ島に流されていたナポレオンが脱出し、パリへと向かう過程を報じた同紙の見出し(時系列)は、以下のとおり。
「凶悪な食人鬼、巣窟より脱出」
↓
「コルシカの鬼、ジュアン湾に上陸」
↓
「怪物、ジァップに到着」
↓
「虎、グルノーブルで一泊」
↓
「簒奪者、リヨンを通過」
↓
「暴君、首都に60里に迫る」
↓
「皇帝、フォンテーヌブローに」
↓
「皇帝陛下、昨日チュイルリー宮にご帰還。臣民、歓呼で迎える」
パリに近づいてくるにつれ、どんどんトーンダウンし、最初の「凶悪な殺人鬼」が、最後には何と「皇帝陛下」に変わってしまいました。
「中傷」から「敬称」への見事なまでの手のひら返し。
これがメディアの本質・実態です。
このエピソード、実際は後から(皮肉を込めて)創作された可能性が高いそうですが、言わんとしていることは
剣(or権)はペンより強し
ジャーナリズムがいかに無責任か、どれほど簡単に権力におもねるかをよく表しています。そこには一貫性のかけらも見当たりません。
あまりに有名な逸話なので、現代の報道関係者だって知っていて当然(知らなければ、そもそも報道に携わる資格なし)。「自戒」の意味で教わってきているはずなのですが、実際はどうでしょう。
NHKをはじめ、あらゆる大手メディアが、200年前とまったく同じ醜態を繰り返しています。
「真実を伝える」責任を放棄し、権力者の顔色をうかがってばかり。
まさしく「現代のル・モニトゥール」です。
我々は現在、「凶悪な殺人鬼(反ワクの陰謀論者)」とレッテルを貼られてますが、この先、新型コロナを取り巻く数々のウソ、mRNAワクチンの危険性が大勢の知るところになれば、
「皇帝陛下」
と崇め奉られるようになるでしょうね。
そのときメディアは、被害者面(俺たちも騙された!)&正義漢面で、平然と政府や専門家をたたきまくること間違いなし。
そして、自らの責任を問われたときは、
あのときは仕方なかった
と、手垢にまみれたお決まりの言い訳をするに決まっています。
でも、今度ばかりは、絶対に許されませんから。
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