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「マスク効果なし」は揺るぎなき真理

「自称専門家」忽那医師が、またもトンチンカンなことを言い触らしているそうです。

日本が再び世界最多の新型コロナ感染者数に マスクに感染予防効果はあるのか?(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース10月31日以降、日本は再び世界で最も感染者数が多い国となっているようです。日本ではマスクを着けている人が多いにもかかわらずこれだけ感染者が増えているため、マスクの効果に疑問を持つ人もいるようです。

news.yahoo.co.jp


(記事抜粋)
オミクロン株が拡大した2022年2月のアメリカのマサチューセッツ州の公立学校において、マスク着用の義務化をやめた学校と、マスク着用を継続した学校とで、新型コロナ感染者の発生率の違いについて検討したものです。
結果として、マスク着用の義務がなくなって以降の15週間で、マスク着用を継続した学校と比較して1000人あたり44.9件増えていたという結果でした。これはこの期間の対象地区で発生した新型コロナ感染者の約3割に相当するとのことです。
マスク着用を継続した学校は建物が古く、1教室当たりの生徒数が多い傾向にあったにもかかわらず、このような差が生じたことから、この研究結果はマスク着用の効果を裏付けるものとなっています。
このように、マスク着用については新型コロナの感染対策には有効であるというエビデンスが蓄積しています。

こんないい加減な研究で「マスクに効果あり」と言い切れるメンタル(無神経?)には脱帽です。

とにかく観察が瑕疵だらけ。幾つか指摘してみましょう。

①「マスクの義務化をやめた学校」と「着用を継続した学校」の定義が不明確
義務化をやめたからといって、全生徒が必ずマスクを外したとは限りません。あくまで「義務化」をやめただけですから、自分の意思で着用を継続した生徒(特にアジア系の)も少なからずいたでしょう。
反対に、着用を継続したからといって、四六時中マスクをしていたとも限りません。校外へ出たとたんに外す生徒もいれば、教職員が見ていないところでは着けていなかった可能性も考えられます。
比較対照するなら、ずっと生徒につきまとって、「実際の着用率」を調べないとダメです。
はい、ワンストライク!

②スタート地点が曖昧
仮に両者を比較するなら、同じ地点から出発しなければいけません。
「義務化をやめた学校」では、たまたまその時点で生徒の中に十数人の「ウィルス保持者」がいて、「着用を継続した学校」では「ウィルス保持者」が一人もいなかったら、どうでしょう。後者では、ウィルスそのものが存在しないのですから、マスクをしようがしまいが、感染が広がるわけありません。
「開始条件」が違えば、結果が異なるのは当然。忽那がこれを「実験」と称したいなら、始める前に両グループの全生徒に検査をして、「ウィルス保持者」が何人いるかを調べておかなければいけないのです。
はい、ツーストライク!!

③マスク以外の因子が除外されていない
「着用継続」の集団は、「コロナに対する恐怖心が強い」と考えられますから、マスク以外にも「手洗い」「うがい」「換気」「対人距離」など、さまざまな「感染対策」が行われていたはずです。仮に「義務化をやめた学校」より感染者が少なくても、さまざまな因子のどれが感染抑制に寄与したのかが判別できません。
もしかしたら、「手洗い」に劇的な感染抑制効果があり、それだけなら完全に感染を抑えられたのに、「汚マスク」を継続したせいで「手洗い」の効果を減弱させたのかもしれないのです。
スリーストライク、バッターアウト!!!

というわけで、忽那は手も足も出せずに「見送り三振」に倒れましたが、肩の調子がいいので、もう少し投球を続けます。

④「1000人当たり44.9人」という怪しげな数字
普通、両者を比較するなら、「感染者の総数」「感染率」を用いるでしょう。皆さんも、この手のデータをいろいろご覧になったことがあるでしょうが、「1000人当たり」などという「妙な基準」を目にしたのは、これが初めてではないでしょうか。
こうした「不自然な表記」には、何らかの意図が隠されていると考えて間違いありません。「何らかの事情」があって、「感染者数」「感染率」では表せなかったということです。「何らかの事情」とは、言うまでもなく(総数や率では)「マスク着用の有効性を示せない」ということでしょう。
私には、結論を導くための重要な情報が故意に隠されているとしか思えません。

そもそも両集団の母数が不明なので、単純に比較できるかどうかもわかりません。「1教室当たりの生徒数」なんかどうでもいい。集団全体で何人いて、そのうちの何人が感染したのかが重要なのです。
仮に「義務化をやめた学校」が50校、「着用を継続した学校」が1校だけだったら、母数がまるで違うため、たった数人が感染しただけでも、大きな影響が生じてしまいます。
また、極端な話、記事を素直に読めば、

1000人当たり約45人ということは100人換算で約5人程度

ということですから、統計学的には十分「誤差の範囲」と考えられます。
それも、研究者が自説に都合よく「誤差が最も大きくなる期間」だけをチェリーピックしている疑いがあります。

だいたい、マスクにそこまで劇的な効果があるなら、なぜあれほど世界中で義務化(強制)が行われながら、まったく感染が抑えられなかったのでしょうか。グラフの傾きが、ほんのわずかでも緩むことすらなかったのでしょうか。
「マスク信奉者」の中に、この素朴な問いに答えられた人は、ただの一人もいません。
全体を高所から俯瞰して見れば、「マスクに予防・抑制効果はない」ことは明らか。疑いようのない「事実」です。

ナイアガラ瀑布だって、ごく一部を拡大して見れば、岩棚に跳ね返って上に向かう水滴を幾つも見つけることはできます。だからといって、「この滝は下から上に遡っている」という結論にはなりません。
それと同じで、「マスクに効果がありそう」に見える些細なデータを幾つ集めたところで、「マスクには何の効果もない」という「本流」を丸ごとひっくり返すことはできないのです。
「マスク着用については新型コロナの感染対策には有効であるというエビデンスが蓄積しています」というのは、単なる忽那の戯言(願望、妄想)にすぎません。

いずれにせよ、上記のケチくさい観察研究からは、「マスク効果あり」の結論はいっさい見いだせないということです。
それでも、何も疑わずに自信満々で引用してくる忽那には、科学者に最も必要とされる資質「批判精神」が皆無であるとしか言いようがありません。


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