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「有効性あり?なし?」データを見分けるポイント

「ワクチンもどき」に関しては、

有効性あり

有効性なし

見事に相反する2つのデータが提示されています。
どちらを信用すればよいかわからず、両者の間を「メトロノーム」している方もおられると思います。

というわけで、今回は“こなが流”「データの信ぴょう性の見分け方」について解説したいと思います。

「感染症」「公衆衛生」などの「疫学」に関するデータは、もっぱら「統計データ」になります。こと「疾病」に関しては、どうしても「個体差」「感受性」が介在するため、物理学や化学のような「単純再現性」が期待できないからです。
被験者によって、まるで異なる結果が生じてしまう。これが「医学は科学ではない」と言われるゆえんです。
そこで、「疫学」の調査研究は、できるだけ大きな母集団を対象にして「誤差(個体差)」を相殺しようと設計します。

皆さんもお気づきと思いますが、「ワクチンの有効性」に関する「推進派」の根拠は、どれも「統計データ」ばかりです。
この手法の問題点は、膨大なデータの中から「自説に都合のよい部分だけを切り取ることができる」ことです。これを「チェリーピック(チェリーピッキング)」といいます。そうした「作為」は、意図的に行われる場合もあれば、研究者の「バイアス(先入観)」によって無意識に行われる場合もあります。

ワクチンに関して「有効性あり/有効性なし」の真っ向から対立するデータが存在するのは、まさにこのためです。

どちらのデータのほうが「信ぴょう性」が高いかは、「調査対象のスケール」で判断すべきです。
「誤差」を打ち消すには、なるたけ「広範囲・長期間」のほうがよい。したがって、空間的・時間的に限局された(少人数・短期間の)データは信用が置けないことになります。

この視点に立つと、「ワクチン有効を証明するデータ」は、どれも「狭い範囲」を抜き出したものばかりであることに気づくはずです。
事実、「劇的に効果あり」だったワクチンが、期間を延長してみたら、数か月後にはほぼ「効果ゼロ」にまで落ちていました。もし初めの一、二か月のデータしか提示されなければ、多くの人が「奇跡のワクチン」と錯覚してしまうでしょう。

同様に、「狭い地域」「限られた集団」での結果も当てにできません。
幸いにというか、今回の「ワクチンもどき」に関しては、「全世界規模での膨大なデータ集積」があります。そして、そのワールドワイドのデータは、はっきりと「ワクチン効果なし」を示唆しています。
もし「推進派」が、「ある国のある期間だけのデータ」を持ち出してきたら、「信ぴょう性はゼロ」だと思って間違いありません。

もう一つ、注意すべきは、「誰の研究か」という点です。「研究者の属性」によっても「信ぴょう性」が大きく左右されます。といっても、「ノーベル賞受賞者」などの肩書や地位のことではありません。
簡単に言うと、「メーカーサイドの研究は当てにならない」ということです。言うまでもなく、「自社の製品に都合のいいデータ」だけを選別するに決まっているからです(都合の悪いデータは無視)。こうした「利害関係者」には、企業から研究資金を受け取っている人々も含まれます。
反対に、ライバル企業の援助を受けている研究者が、あえて「都合の悪いデータ」を出してくるおそれもあるので、そこは要注意。

もちろん「独立した利害関係のない第三者」の研究こそが最も信頼が置けます。また、「メーカー側の一味」であっても、「自説に不利益なデータ」は信用できるでしょう(欧州議会の公聴会でP社の幹部が「感染実験はやっていない」と白状したようなやつです)。

最後に、私が最も重視しているのは、「データを裏づける理論」があるか、です。

「有効性あり/有効性なし」のどちらであろうと、単なる「統計データ」だけでは、結論を導き出すには足りません。「なぜそういう結果が生じたか」を合理的に説明できる理論(仮説)があるかどうかが、最大の分かれ目です。
私が見る限り、「ワクチン有効性なし」あるいは「ワクチンはむしろ有害」とする説には、分子レベルできちんと「合理的説明」がなされています。その機序は(私の持つ生物学・感染症学の知識から見て)理に適っていて、十分に納得のいくものです。

ところが、「有効性あり」と主張する説には、まったくと言っていいほど「合理的説明」が添えられていません。ただ「感染者が減った」「重症者が減った」という、空間的・時間的に限局されたグラフを出してくるだけ。
「なぜそうなるのか」「どういう機序が働いているのか」の説明が完全に欠落しているのです。

以上の点から、

有効性あり

有効性なし

のどちらを信用すべきかは、火を見るよりも明らかです。
今さら結論を述べるまでもないでしょう。





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