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こんな会社社長は失敗する8つの法則

 経営コンサルタントである私は、これまで数々の社長に出会ってきました。

 ここでは私の経験に基づいてその社長たちについて語っていきたいと思います。

 私が出会った社長たちの中には、当然成功している人、失敗している人がいます。それぞれ多種多様な方々たちですが、いくつかの共通点を有しています。

 今回は、失敗している中小企業の社長の共通点。それを語りたいと思います。


 これから事業を営もうとしている人、すでに開業していて壁にぶち当たっている人、会社の将来に不安を抱き会社がどうなるのか知りたい人、そんな人たちのヒントになれば幸いです。


 中小企業は9割がた社長で決まります。つまり社長を知れば会社がわかるのです。


 成功するかどうかは時の運。ですが、その確率を上げることはできます。その手助けができれば嬉しいです。

※あくまでも私の経験に基づく法則なので、合わないと思う方は気にする必要はありません。自ら信じる道を行ってください。


その1  社長が暇


 社長がやることもなく、暇をしている会社の業績が右肩上がりになることはあり得ません。

 皆さんが知っている大会社の社長は暇でしょうか?

 apple社 故スティーブ・ジョブズ氏、ソフトバンク孫正義氏、ユニクロ柳井正氏、とても暇とは思えません。

 24時間、365日仕事のことを考え、忙しくしているはずです。大会社の社長でもそうなのですから、中小企業の社長が暇でうまくいくはずがありません。


 あなたの会社の社長は忙しいですか?

 暇でしょうがなくて、従業員にダメ出しをしたり粗探しばかりしていませんか?


 ちなみに蛇足になりますが、忙しいというのは作業が忙しいという意味ではありません。社長が従業員でもできる仕事をやっているから忙しい、というのは忙しいうちに入りません。

 例えば、経理の事務作業に忙しいとか、給料計算に忙しいとか、売掛買掛の集計に忙しいとか……。

 それらは一円も生み出さない、いわゆる作業とよばれるものです。

 大切な仕事ではありますが、社長の仕事ではありません。


 では中小企業の社長の仕事とは何でしょうか?言わずもがなですが、お金を生み出すことです。お客を増やすことです。

 それは次のその2で説明します。


その2 社長の仕事を理解していない社長は失敗する


 社長の仕事とは何でしょうか?

 それはお金を生み出すこと、お客を増やすことです。

 給料を計算することも事務仕事をすることもお金を生み出すことはできません。


 さらに誤解している方も多いですが、売掛金の回収や資金繰りに奔走することもお金を生み出す仕事ではありません。


 売掛金はすでに確定した売上です。その回収は新たなお金を生み出す仕事ではありません。


 資金繰りも売上ではありません。


 それはキャッシュフローと呼ばれるものです。


 資金繰りに困っている会社はキャッシュフローを良く理解しないといけませんが、今回のテーマとは直接関係ないので割愛します。


 では新たなお金はいつどこで産まれるのでしょうか?

 お客が商品(業種によって形は変わりますが)を買った瞬間です。

 つまり中小企業の社長は売上をあげないといけないのです。


 それを誤解し、従業員のここがだめだから売上があがらないと言って、従業員だけ経営者研修に参加させたりする社長がいます。違うのです。
 売上が上がらないのは社長の責任です。


 自分の仕事を他人に押し付けてはいけません。


その3 他人の時間を奪うことに無頓着な社長は失敗する


 こんな社長はいませんか?


 ある日、ふらっと現れて「やってるか?」と従業員に声をかけ、仕事の手を止めさせる社長。
 挙げ句の果てには「これコピーとってくれ」「これ郵送してくれ」「どこどこの店の予約をとってくれ」と、今すぐでなくてもいい仕事を頼む社長。


 これでは、従業員の仕事の効率が上がるはずがありません。
 そういう社長は「うちの従業員は仕事の効率が悪いから残業が減らないんだ」と言っていたりします。


 そういう社長は自分の時間が奪われることには激怒しますが、自分が他人の時間を奪っているとは考えないものです。


 従業員の気持ちを推し量ることのできない社長がお客様の気持ちを推し量ることができるでしょうか?


 誤解がないように言っておきますが、従業員に媚を売れと言っているわけではありません。仕事の効率を下げるような仕事を与えてはいけないということです。


 どうしても自分でするのが難しいなら、秘書を雇えばいいのです。もしくは時間を区切って予め頼んでおけばいいのです。


 あなたの会社に自分の時間を平気で奪ってくる社長はいませんか?


その4 できない理由を探す社長は失敗する


 会社が新しいことを始めようとしているとします。


 初めてのことなので誰もうまくいくかなんてわかりません。しかし、言い換えればうまくいかないかどうかもわからないということです。


 にも関わらず、どんな意見が出ても「それはこうだから無理だ」「それはああだから出来ない」と否定ばかりを繰り返す社長は失敗します。


 誰にもわからないことはわからないのですから、やってみるしかありません。やった上で修正をしていけばいいのです。もしくはそれに関しては諦めて、別の新しいことを始めてもいい。


 否定することでしか自分の存在意義を見出せない社長は失敗するしかありません。


 あなたの会社に「ダメダメ」社長はいませんか?


 そういう社長は総じてビジョンを持っていないことが多いです。


 会社をどうしたいのか?
 それ(目的)を答えられない社長は失敗します。目的地も決めないで航海に出たら間違いなく遭難します。
 会社の目的地を決めるのは社長以外あり得ません。それを答えられない社長は、社長の職務を放棄していることに等しいです。

 あなたの会社に何を目指しているのかわからない社長はいませんか?


その5 口だけのお客様第一主義の社長は失敗する


 社長から営業マンに電話がかかってきました。

 営業マンはお客のところに訪問していたため、電話に出ませんでした。

 しかし、5分おきに何度もかかってきます。


 後で社長に電話をすると「何で電話に出ないんだ!」と激怒。


 理由を説明しても機嫌は直りません。


 しかも、それだけ怒っておいて、電話の内容が大したことではない場合もあります。


 社長が電話に出てほしいときに出なかったから『イラついた』。ただそれだけです。


 そんな社長に限って、朝礼で『お客様第一主義』を連呼していたりします。


 あなたの会社に棚上げする棚がすさまじく広い社長はいませんか?


その6 ネガティブな社長は失敗する


 あなたの会社に何を言ってもネガティブに返してくる社長はいませんか?


 成功の女神様は後ろ向きな人には微笑みません。前向きに努力をしている人にのみ、奇跡とはおこるものです。成功に偶然や奇跡はありますが、失敗は必然です。


 つまり成功する可能性を1%でも上げようとするならば、前向きに考え、最善を尽くすしかないのです。


 あなたの会社にネガティブ社長はいませんか?

※ちなみに無意味にポジティブで周りを疲れさせるだけの人もいます。ポジティブなことが必ずしもプラスとは限りません。要はバランスです。


その7 社長が優柔不断


 決断力がない社長の会社の業績は良くないことが多いです。


 何かを決めるにしても、専務と相談してから、とか、従業員と相談してから、とか、奥さんに相談してから、という社長がいます。


 相談することは悪いことではありません。しかし、この場合は別の理由があって相談しているのです。


 それは何か?


 『責任の分散』です。


 仕事が失敗に終わった時「みんなで決めたことだから自分の責任ではない」と思いたくて相談するのです。


 初めから失敗した後の言い訳を考えている社長の決断が成功するわけがありません。

 新しいことをするとき、その8割9割は失敗するものです。


 そんなとき従業員が尊敬する社長とは、失敗の責任を他者に押し付けず、次の成功の糧とすることのできる社長です。


 あなたの会社の社長は責任を他者に押し付けてはいませんか?


その8 人のせいにする社長は失敗する


 あなたの会社に何でもかんでも人のせいにする社長はいませんか?

 人だけでなく、天気のせいとか国のせいとか、社会のせいとか……。言い出したらきりがないくらい。

 会社の成績が思うように上がらないときに、自分以外のせいにする社長はいませんか?


 なぜそうなるのでしょう?


 失敗の原因を自分以外に求めると楽だからです。失敗を自覚し、原因を検証し、反省し、改善する。

 この一連の行動は忍耐と体力と根気が必要になってきます。


 他のせいにすればそのすべてから解放されます。楽なのです。


 しかし、当たり前の話ですが、そんなことをすれば成長はありません。良くて現状維持。基本的には下がっていきます。


 人間というのは川と同じで低い方に流れていくものです。それを確固たる強い意志で踏みとどまり、登ろうとする者でないと成功はできません。


 あなたの会社に低い方に流れる社長はいませんか?


最後に


 失敗の話ばかりしてきましたが、ではどうすれば成功できるのでしょうか?


 実は誰にもわかりません。この世の中に『絶対成功の法則』など存在しないのです。


 失敗の反対は、実は成功ではなく『失敗しない』なのです。


 世の中の成功者と呼ばれる人たちは失敗を積み重ねてきました。その先に成功があるのです。いや、それは正確ではないかもしれません。


 成功者たちは失敗を失敗とは思いません。


 『成功するための貴重な経験を得た』ととらえるのです。


 成功者は成功するまで、検証、反省、改善を繰り返します。結果、いつかは成功するのです。


 そんなことは一部の天才にしかできないのではないか?


 そう思われる方もいるでしょう。


 確かにそうかもしれません。


 失敗を繰り返しても折れない心。そう簡単に持てるものではありません。


 しかし、我々凡人にもできることがあります。失敗したら、同じ失敗をしないようにすることです。


 同じ失敗をしないためには『1 忙しく仕事』をし、『2 社長の仕事を理解』し、『3 他人の時間を奪わず』、『4 出来ない理由ではなく、出来るにはどうすればよいか考え』、『5 お客を第一に考え』、『6 物事をポジティブにとらえる努力』をし、『7 自ら決断』をし、『8 失敗は自分のせい、成功は他者のおかげ』と考える。


 そうすれば同じ失敗はせず、したとしても失敗は失敗とはなりません。いつか成功するための貴重な経験となるはずです。


 かく言う私も今は道の途中です。成功出来るかは今後の私の強い意志と努力にかかっています。私のような凡人でも考え方を変えようと努力することはできます。


 皆様も一緒にチャレンジしてみましよう。


 一度きりの人生を後悔しないために、一分一秒を無駄にしないために。


 今は前を向き、一歩一歩進んでいきます。


 立ち止まることもあるでしょう。振り返ることもあるでしょう。しかし、今の私があるのはすべて私に関わっていただいた人たちのおかげです。その人たちのためにも進まなくてはなりません。小さな一歩は、やがて大きな道程になるはずです。


 だらだらと長くなりましたが、これで終わりにしたいと思います。


 最後に私の大好きな、あいだみつを氏の言葉を贈りたいと思います。


 幸せはいつも自分のこころが決める


 ここまで読んでいただいてありがとうございます。

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