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私学訪問日記【渋谷教育学園渋谷中学高等学校】

東京都渋谷区にある、渋谷教育学園渋谷中学高等学校は、21世紀の国際社会で活躍できる人間を育成するため、「自調自考」の力を伸ばすことを根幹にして、国際人としての資質を養う、高い倫理感を育てるという教育目標を掲げている学校です。同校では「自調自考」の力を伸ばす様々な教育活動が行われていますが、その中でも、昨今、特に注目されている取り組みが、2021年度より行われている「学びのオリンピックSOLA(Shibuya Olympiad in Liberal Arts) 」です。初年度である2021年夏には、17の国・地域から900名の中高生が集い、20種目の大会を同時に行う他に類を見ない国際イベントになりました。
今回は、開催3年目となる『SOLA2023』にお伺いして、企画の見学並びに、生徒の皆さんにもお話を聞きましたので、ご紹介したいと思います。

『SOLA2023』では、"The Future We Create―Sending Messages from Shibuya"というテーマにて、オンライン実施の企画から対面実施の企画まで、計13個の企画が行われました。

オンラインによるオープニングセレモニーでは、実行委員のメンバーが英語にて司会進行をし、また校長の高際伊都子先生も英語でご挨拶をされていました。英語だけでなく、日本語を使用した企画もあるため、校長先生のご挨拶の際には、日本語の字幕がつけられています。こうした字幕の準備や、オンライン配信の運営業務すべてにおいて、中学2年生から高校2年生までの実行委員の生徒たちが分担して行っています。先生方も教室内にいらっしゃいますが、あくまでアドバイスをされているだけで、すべてが生徒主導で行われており、実行委員の皆さん一人一人が自ら考え動いているということが、舞台裏の見学より知ることができました。

実行委員でスライドの準備を行っています

2023年度実行委員長の前淵英翔くん(高校2年生)は、前年度の実行委員を経験していたことから、2023年度実行委員長となりました。2022年度は4月以降に開催に向けて動いていましたが、自身の経験より、早めに動いた方がよいと考え、2022年12月に先生方に『SOLA2023』開催を相談、2023年1月には動きはじめたそうです。外部発信では、前年度の参加校にご案内を送り、また帰国生や同校の留学生たちのネットワークを活用して、海外の学校に発信、企画への参加者を募ったとのこと。開催までの様々な苦労も乗り越え、『SOLA2023』を無事開催させることができて、とても満足であると語ってくれました。

実行委員の準備の様子

さて、『SOLA2023』では「ビブリオバトル全国大会」や「Model G7 Summit -Food Loss-」をはじめ、いくつかの企画を見学させてもらいましたが、その中でも、中学生対象の企画「Unite and Make Change」がとても印象的でしたので、ここでご紹介したいと思います。
本企画では、参加チーム(渋谷教育学園から2チーム、同校以外の学校から4チームの計6チームが参加)が、世界各国の大使としてプラスチックごみ問題というテーマに沿って、①自国の現状と日本の現状の相違点、②世界全体にも適用できそうな自国で実施されている策の提示、③世界全体と自国の進むべき未来像の3つの内容についてのプレゼンテーションをしました。終了後には、運営スタッフと参加者全員による投票により、優勝・準優勝・特別賞を決めるというものでした。各チームのプレゼンテーションのすばらしさは勿論でしたが、表彰後の運営スタッフによる講評が、何よりもとても素晴らしいものでした。

Unite and Make Change(UMC)のプレゼンテーション

本企画チーフである小島杏里さん(中学3年生)は、中学1年生の時に、SOLA教育ビジネスコンテストに参加、中学2年生で、SOLA実行委員を経験し、中学3年生でこの企画を立ち上げました。
本企画を立ち上げたときは、企画メンバーにおいても、自分たちが企画運営をしていくことに戸惑いがあったそうですが、準備・当日運営までスムーズに進めることができたそうです。この企画を通して、中学生でも社会問題に参画できること、イベント運営できることへの自信を持つことができ、中学生の無限大の可能性を学ぶことができたとお話ししてくれました。来年は高校生になるということで、実行委員会として関わり、『SOLA2024』では、国際的な企画をもっと盛り上げていきたいとのこと。また、同校ではどんな性格の生徒も、リーダーシップや積極性を発揮できるチャンスがあることも教えてくれました。

お2人の生徒さんからお聞きした内容をご紹介しましたが、お2人ともから、自分から働きかけていくことやチャレンジをしていこうとする姿勢を感じることができました。同校では、生徒一人ひとりが、チャレンジすること、そして、主体的に取り組もうとすることが、身についているのだと、今回の見学を通して、改めて強く感じました。

今回の見学より、来年度開催予定の『SOLA2024』において、どのような企画が出てくるのか、今からとても楽しみです。渋谷教育学園渋谷中学高等学校にご入学されましたら、『SOLA』の企画に、ぜひ参加してみては如何でしょうか。

コアネット教育総合研究所 放課後ラボ事業部 佐々木 梨絵

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