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物語性と楽曲

唐突だが、物語性のある曲が好きだ。

物語性と言っても、曲の構成とかそういうのではなく、その歌手が辿った物語を思わざるを得ない曲を後年に聴きかえすのが好きなのだ。

1)モーニング娘。/ 「I WISH」

人生って素晴らしい。

2000年9月に発売された、モーニング娘。の10枚目のシングル。
TBSのシドニー五輪中継テーマソングとしてのタイアップもあり、当時国民的人気だったこともあり、この曲を知る人も多いと思う。
『人生って素晴らしい』というサビのフレーズが印象的な曲なのであるが、MVでこの曲を楽しそうに歌って踊るまだあどけないメンバー達がその後辿った人生を考えるとなかなかに感慨深い名曲である。矢口、加護、吉澤・・・


2)モーニング娘。'15 / 「Oh my wish!」

wishつながりというわけではない

(体型いじりなどは今はすべきではないのだが)アイドルらしからぬ風貌で緑のアイツとして当時一部で騒がれていた、ズッキこと鈴木香音が劇的なダイエットに大成功したうえ、それまで後列が定位置で歌割りがほぼなかったのに、一躍センターポジションに躍り出るという、シンデレラストーリーを成し遂げた一曲。リリースに先立って公開されたMVではすっかり垢抜けたズッキが・・・!

メジャーな歌番組にあまり呼ばれることがないモーニング娘。がMステに出演するなんて珍しいことで、この曲を売りたい事務所の意気込みが計り知れる。そして放送当日、画面に現れたズッキは・・・

oh my…

あれ?戻ってる・・・?そして眼帯?大丈夫なの・・・?
明智光秀の三日天下のような、ごく一瞬の奇跡のようなMV、夢を諦めるなというメッセージ性の強い歌詞、その2つが相まった良曲だと私は思っている。

余談ではあるが、その後もスクスクと成長したズッキが、卒業ということで大きくフィーチャーされた「泡沫サタデーナイト!」という曲でもMステに出演を果たしている。

芸能界を引退したが、いいキャラしてた


3)青春のSUNRISE / EE JUMP

この時期にぴったりな応援ソング

つんくプロデュースではあるが、Hello! Project所属ではないソニンとユウキ(ゴマキの弟)からなるユニット・EE JUMPの最後のシングル曲。
EE JUMPというと、「おっととっと夏だぜ!」が有名ではあるが、この曲でブレイク後、次曲のプロモーション時にユウキが脱走・放浪そして謹慎、その間にソニンのソロ曲発売、それから満を持してユウキ復帰が復帰し、この青春のSUNRISEがリリースされた。

メタ的な感じで、謹慎に対する謝罪をMVに盛り込んでみたり、再出発に賭ける意欲作であった。

事情を知らない人からすると何がごめんねなのか

プロモーションもしっかりと行われ、歌番組にも出演したりしていたが、その直後に、ユウキの歌舞伎町のキャバクラでの未成年飲酒などが発覚し、そのまま脱退となり、EE JUMPは活動終了となった。(その後、ソニンはソロとなり、名曲「カレーライスの女」をリリースすることとなる)


4)ERIKA / 「FREE」

ノリにノってた当時

沢尻エリカとは別人設定のERIKAとしてリリースした曲。
ドラマでの役名名義(Kaoru Amane)でリリースした前作が好評であったため、沢尻エリカとしての歌手デビューに期待されていたが、謎の別人設定で歌手活動を始めることに。別人設定でのリリースというと、他に思い浮かぶのが、Tommy February6など一連のTommyシリーズ、竹内力の弟設定のRIKI、伊藤由奈の妹設定の伊東クリスティーン・・・。
従来のイメージと大きく異なることをするためのエクスキューズ的な意味合いであるのだろうが、このERIKA名義は当時のイキリにイキった末での中2病的な行動の発露なのだろうか。

謎の女性シンガー“ERIKA”デビューシングル!
パリ郊外で生まれ、ギターとともに何十年も音楽の旅を続けてきた“ELIKA”がシングル『FREE』でデビューする。沢尻エリカに顔も声もうりふたつだが、経歴は上記の通り。謎めいたデビューを飾る。
ロックチューンの表題曲『FREE』や、ハウス風のアレンジ曲『FANTASY』など、インストゥルメンタル含む全4曲を収録。
Amazonの内容紹介より

その後の沢尻さんについては周知の通りなのだが、一瞬のイキりで放った輝きの光量が半端ないと思う。今なお褪せないキラキラ感。

と、ここまで文章にしてみて、自分の思う物語性=不祥事などのトピックじゃないかと気づく。沢尻さんの親友とされる、片瀬那奈のアーティスト活動というのも、クラブで踊りながら「ばかうけ」事件と合わせて語りたくもあるが、今回はやめておく。


5)未来玲可 / 「海とあなたの物語」


90年代に一世風靡した小室ファミリーもかなり好物である。
その楽曲達にも物語性が大きく存在している。筆頭としては、小室氏との破局からのさまざまな浮き沈みのあった華原さんも物語性のある曲について枚挙にいとまがない。
I BELIEVEでの珍妙なダンス、HEY!HEY!HEY!での奇行および破局前後の楽曲のクオリティ、乗馬姿での破局会見〜MAX松浦氏プロデュースのアルバムリリースなども素晴らしい。

MAX松浦氏プロデュース

それ以外の有象無象の小室ファミリーの楽曲達においても、氏の熱意が下がったことをあからさまに伺わせる出来の楽曲提供や、後年に話題作りのために当時を誇張して語るがさして話題にもならない歌手などなど・・・語れることは山のようにあるし、推したい楽曲もいくつかあるのだが、その中でもこの、「海とあなたの物語」の物語性は抜きん出ている。

デビューシングルにしてラストシングル

田村正和・松たか子主演のドラマ「じんべえ」主題歌としてリリースされた、当時若干14歳の未来玲可のデビューシングル。Mステでの歌唱はある意味で伝説となっている。
わずか4ヶ月間の活動での引退は、学業優先、Mステによる引退の決意など様々な憶測を呼んでいるが、楽曲の良さと不安定さからくる切なさは今でも色褪せない。

同じように、Mステでの事件ということで語るのであれば、剛力彩芽「友達より大事な人」や山Pマイクスタンド事件、t.A.T.u脱走事件など生放送ならではの事件が多々あったことも懐かしい。今ではすっかりMステを観なくなってしまったのだが・・・。

こうして、誰の何の役にも立たない楽曲の背景のドラマを自己満足で語りたいと思うし、また何か思い出したら話題にあげてみたいと思う。

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