都立高校だけどガラッと居場所を変える方法【大自然の中で過ごす】

こんにちは。元高校事務の人、ひろかです。
今日はちょっと裏技的な都立高校の選び方についてです。

・中学校の時にいじめにあって、地元の子と同じ学校にいきたくない。
・高校からは新しい自分に生まれ変わりたい。
・自然の中で自分を見つめなおしてみたい。
・家族との関係を見直してみたい。
・自立して頑張ってみたい。

こうした悩みを持っている受験生は意外と多くて、実はいくつか相談を受けたことがあります。
金銭的に余裕があれば、高いお金を払って地方の全寮制高校に通うという手段もありますが、集団生活となるとどうか…?
高校には行きたいけど、近所の高校は嫌だ…。
そう考えるご家庭も一定数あるのだな、と様々な家族のカタチを見てきました。
家族の関係をどのように考えていくのかは専門の方にお任せしますが、今回はこうした中学生の希望を叶える「島の高校」を選ぶ方法を考えていきます。

※ 前提として生徒の入学時点で保護者の方が東京都内に住んでいる必要があります。

1 各島にはどんな高校があるのか

東京の離島といえば伊豆諸島と小笠原諸島がありますが、いくつかの島には高校があります。
東京から近い順に高校がある島を並べるとこんなかんじ。

・大島(伊豆大島) 大島高校・大島海洋国際高校
・新島       新島高校
・神津島      神津高校
・三宅島      三宅高校
・八丈島      八丈高校
・小笠原(父島)  小笠原高校

どの島も海と山に囲まれて、のんびりしたいいところです。
観光情報などは専門のページがあるので見てみてくださいね。
最近はどの島もおしゃれなカフェなどが増え、移住の方なども増えてきた印象です。

さて、それでは肝心の高校進学方法を考えていきましょう。

2 島の高校に進学する方法

島の高校に通いたいとき、一番のネックは「引っ越しをしなくてはいけないのか?」という点ですよね。
今ある制度のうち、引っ越しの観点からは難易度の低い順に並べてみました。
それでは見ていきましょう。

2-1 全寮制の大島海洋国際高校に進学する

先日の「面白公立高校」でも紹介した大島海洋国際高校は伊豆大島の南部にある全寮制の高校です。この学校に入学すれば、通学時間を考えることなく、地元の高校ではない学校に通うことができます(実際、「寮に入りたいから」という理由で進学してくる生徒も一定数いるようです。)
ただし、この高校は水産科(普通科ではない)の高校なので、万が一「ちょっと厳しいかも…」と思っても転校することが難しいのが難点です。
また、寮での生活は3人(程度)で一部屋で過ごし、年間に8回程度一斉に自宅に帰る期間があるようです(夏休み・冬休み等の他、1週間程度の休校日が複数回ある)。そのため「実家を出て一人で過ごしてみたい」という人には少し向かないかもしれません。
なお、学校の授業では大型船の航海実習があったり、スキューバダイビングがあったりと、かなり盛だくさんな様子です。
あ、ちなみに高校受験は全入状態なので、ご安心ください(?)

2-2 一部の高校で実施している「島外生徒受入事業」を活用する

令和5年4月入学者向けには新島高校、神津高校、八丈高校で実施された「島外生徒受入事業」があります。
ホームステイや受入専用の寮などで生活して、島の高校に通うことができます。宿舎として納める金額は月4万円が基本となっているようですが、詳しいルールは島によって異なるのでご確認ください。
なかなか人気のある制度で、受入数に限りがあるため現在では受験前に事業としての選抜が行われています。あまり知られていなかったのですが、口コミで人気が出てきて、神津高校などでは寮もきれいで一定数の受入が続いている(伝統がある)ので数倍の倍率になります。(ねらい目は新しく始めた新島なのかしら…)
今年も実施するのかどうかやそもそも出願に必要な書類なども学校によって若干異なるので、詳しくは必ず島に確認してくださいね。
(何やら伊豆大島(大島高校)でも開始に向けて検討が始まっているとか…東京から行きやすい場所なので人気が出るかもしれませんね)

2-3 保護者の方(の一部)と一緒に島に引っ越す←NEW!

こちらは島の全日制の高校全てで対象です。
これ、令和5年4月入学の生徒から新しくできた制度なんです。
というのも、今までは結構厳しいルールだったんですね…。
前のルールでは「島に住んでる親戚に預かってもらうか、両親揃って島に移住する」だったんですけど、まあ普通に考えたらお仕事どうすんの? となりますよね…。親戚に預かってもらうは、まあ結構親戚の範囲が広い(6親等)ので、親戚であることを証明できるのか…(ごにょごにょ)ということもあったようですが、預かってもらう人を探すのも難しいですよね。
そこで島の学校からの要望で緩和されたのが、
「保護者の方がおひとりついてきてくれれば、全日制の高校受験OK」
なんです。
これでも難しいよってオウチも多いと思うのですが、例えばある程度在宅ワークできる方とか、専業主婦のお母さんであれば逆単身赴任のような雰囲気で3年間を過ごすことも可能かと。小笠原とか、もう生活習慣違いすぎて若干面白いですよ。
ちなみにどこの島も働いていただける方を募集中なので、島でお仕事したい場合には職探しで困ることはまずないかと思います。

2-4 一人暮らしで定時制高校に通う

対象は定時制のある大島高校と八丈高校
これ、実は知る人ぞ知る、島への進学方法なんです。
実は島の定時制高校であれば「島で働きながら」を条件に(未成年でも)一人暮らしで高校に通うことができるんです。
とはいえ「その手配難しそうだよね…」と思ったのですが、
例えば八丈高校であれば現在定時制に通っている生徒の半分程度はこの制度を使っている一人暮らしの生徒だそうで、島の人たちも手馴れたものだとのこと。生徒の多くは朝から商店(スーパー)で働き、夕方に商店から送り出されて学校に行き、商店の人が貸している家(アパート)に帰ってくるんだそう。なんだか大学生の下宿のもうちょっと濃いバージョンのような気もしますが、親子のような関係が築けている人も多いんだそうです。
大島高校でも少しずつ一人暮らしの生徒が増えてきているようで、思い切った環境の変化でのびのびと自分の生活スタイルを満喫しているそうです。

ちなみに定時制といえば4年間通うイメージがありますが、大島高校ボランティア活動や資格取得などを行うことで単位として認められ3年間で卒業する方法もあるそうです。

3 中学の先生おすすめの学校以外も調べてみよう

中学校の先生はおそらく学校の近所や通いやすい学校の情報をたくさん持っていることでしょう。
でも、もしも「それってちょっとつらいな」「もっと人と違うことしてみたいな」と思ったら、他の選択肢があることも知っていてくださいね。
今回は中学校の先生があまり知らない、島の高校の進学の仕方を書いてみました。
次回は都立の通信制高校を調べてみようかと画策中です…
あ、でも一番「コスパの良い」学校も気になるなぁ…

では、また。

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