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カラスの不思議な出来事

 カラスというと嫌なイメードを持たれる方が多い事は承知しています。
 私もどちらかと言えば、苦手の部類に入っているのかも知れません。
 なにせ、カラスと言えば、ゴミをあさって、ゴミの集積場を荒らすという、人々を悩ませる存在ですから。
 そういう点で、カラスは苦手な存在には間違いないのですが、その一方で、あれは何だったのかという、不思議な出来事が、2度ありました。
 それは、あの東北の大震災の日と、熊本の大震災の日だったのです。
 その日以外、東京にいる間、一度もそのような事はありませんでしたので、気になるのです。
 東北の大震災の日の朝のことです。
 私は仕事場の屋上で休憩をしていました。
 10時ごろだったと思います。
 建物は2階建ての屋上で、いつも天気や周りの景色を眺めるのが日課でした。
 近くにNTTの高い鉄塔があります。
 そこのてっぺんの部分におそらく数十羽ほどのカラスが群がっていました。
 そんな光景は今まで見たことがありません。
 なんだろう、カラスが沢山いる、と思って観察していました。
 するとカラスは、鉄塔の鉄柵に止まるも、すぐに飛び上がり、なんだころは?とびっくりしている様子でした。
 それを全てのカラスが繰り返し行っている感じで、一羽なりとも鉄柵にじっと止まっているカラスが居なかったように思います。
 なんだろう?とは思いましたが、休憩時間も過ぎて私は仕事に戻りました。
 昼休みに見た時は、もうその姿はありませんでした。
 そして、その少しあとに起こったあの地震です。
 あの大きな揺れが起きた時に、これは大事になるという直感が湧いて、そばにいた店長に言いましたら、すぐに店長はお客様の避難誘導に駆け出しました。
 あのカラスの異様な様子を見たから、そう感じたのです。
 なにもオカルトの話をするつもりではありません。
 高い鉄塔ですので、地中深くの岩盤に基礎を作っているはずです。
 おそらく、鉄塔の鉄柵には朝からすでに、地下の岩盤からの振動が伝わっていたのではないのかと推測しています。
 それから、毎日のように鉄塔を気にしていましたが、あの時のように多くのカラスが集まっているのを暫く見かけませんでした。
 次に見かけたのは、あの熊本の地震の日でした。
 その日の朝は、また多くのカラスが集まっていましたが、東北の震災の時と大きく違う点は、静かに皆が鉄柵に止まっていたのです。
それは数時間に及びました。
 あの日、確か東京にも一瞬でしたが地震があったように記憶しています。
 あれ?これを知らせてくれたのかしら、なんて思っていたら、夜に熊本の大震災のニュースが飛び込んできました。
 なにしろ、2回しかそんなカラスを目撃していないので、それと関連付けて考えてしまいます。
 あの時の、情報交換をしているのか、会議をしているのかのような、あのカラスはいったい、何だったのでしょう。
私のただの妄想なのかも知れませんが、それからは、カラスに少し一目置いてます。

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