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JRってやっぱり役所なんだなって改めて思った:日経新聞「私の履歴書」

もう終わろうとしているこのタイミングで書くのもどうかと思うのですが、3月の「私の履歴書」は、JR九州の相談役、唐池恒二さんでした。

唐池恒二さんは、1953年、大阪府で生まれ、大阪府立三国丘高校、京都大学法学部を卒業後、1977年、日本国有鉄道に入社します。当時の国鉄は、いわゆる三公社五現業の一つで、まあ、公務員になったようなものです。

入社の難易度は、今で言う国家公務員総合職よりも高かったそうで、超がつくエリートコースですが、この年は、ちょっと毛色の違う人物を採用しようとした年だったので、大学で柔道しかしていない自分が採用された、とおっしゃっています。まあ、そうは言っても京都大学の法学部卒で、柔道部の主将ですからね。

自分は青白きエリートではない、と言いたいのでしょう。
この連載でも、多くの大企業の経営者や政治家、学者、法曹界の偉い人、などが自分のことを型破りとか、落ちこぼれ、とか、学生時代は運動以外していない、とか言いがちですが、そういう人が成功する確率はごく低いので、真に受けないようにしましょう。
このあたりについては、以前の投稿を参照ください。

https://note.com/clever_coyote275/n/n57be0980978a

それはともかく、唐池さんの「私の履歴書」は、とても興味深く読みました。国鉄は、1987年に、分割民営化してJRとなります。唐池さんが所属していた九州の鉄道管理局では労使交渉の最前線で苦労されたようで、近現代史としても面白い読み物でした。

唐池さんは、JR九州に入社後、東京の丸井(マルイ)で研修を受けられます。その時の唐池さんが衝撃を受けたこと、に私も衝撃を受けました。

ひとつ目は、社員同士が挨拶をしていること。
ふたつ目は、会社の事務所を社員が掃除をしていること。

当時の国鉄、そしてJRは、職員・社員同士で挨拶もしないし、事務所を掃除したこともないってことですよ!

まあ、掃除はビル管理の方がされる会社もあるでしょうが、それにしても挨拶しない職場があるなんて、それこそ衝撃です。(相手の素性がわからないSESのITエンジニアの職場で、挨拶をしないところがあるのは知っていますが)

30年以上前の昔話と思うかもしれませんが、数年前、JRの池袋駅の駅長室に行ったことがあります。駅の構内ですから、そんなに綺麗な場所ではないと思ったのですが、想像以上でした。ドアを開けたところにあるソファセットですが、まあ汚い。

ソファセットが古くて汚いのは仕方ないにしても、床が埃だらけ。大きな綿埃のかたまりがいくつも足元にありました。1ヶ月掃除しないくらいで、あんなにはなりません。
応対した池袋駅の助役も、50代、私と同世代か、少し下でしょうが、みなさんの思い描く「感じの悪い公務員」を実写化したような人物でした。
21世紀の今も、そういう職場なんだな、と思ったけど、原点は挨拶しない、掃除しない国鉄でした。

身内にNTTの社員が二人いますが、話を聞くと、こちらも大同小異ですね。
あ、NTTの特例子会社であるNTTクラルティはいい会社です。特例子会社も本当にピンキリですが、こちらと東京都チャレンジドプラストッパン株式会社はいい会社ですよ。


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