うつの回復期の就職活動①:オープンかクローズか
適応障害・うつ状態・うつ病・双極性障害と言われる疾患にかかり、休職や離職を余儀なくされたり、社内で異動を経験した方が回復期・寛解期にあり、就業や転職を目指そうと考えている方の相談に乗ることがあります。
また、採用の立場で、そうした方の面接を行ったり、人事の立場で社員の復帰を見てきたり、残念ながら離職に至るケースも多数経験してきました。
私は医療・福祉の専門家ではないので、ここでは、そうした方が就業や転職を目指す場合の注意点に絞ってお話ししたいと思います。
病歴を明かして就職活動をするのか(オープン)、明かさずに就職活動するのか(クローズ)も、悩みどころです。病歴を明かさずに就職活動をする場合、離職期間や異動の経緯についての説明が曖昧になりがちです。また、就業してから、就業に関する一般的な配慮以外の配慮はなされないことなります。
ご自分の状況を医師や支援機関などとよく相談して選択してください。
採用側として、どちらが印象が良いかを聞かれることも多いですが、これはご本人の状況によります。ブランク(離職期間)の有無や長短、現在の体調、今後の見通しなど、総合的に考えてみてください。(クローズでブランクが相当期間ある場合は、その期間の説明が苦しくなる場合があり、人事はそう感じたら採用を躊躇します。)
また、これから就業したい企業や職種の状況もできるだけ調べるようにしましょう。
特に発症の原因が過剰労働だった場合、就業先で同じ状況(過重労働)になる可能性はあるのか、これはオープンにせよクローズにせよ、必ず確認してください。
こういった質問は、人事の担当者に聞くのがいいでしょう。こうした質問は、あなたの印象を悪くすることはないと思います。
人事の印象は、病歴そのものより、今後の就業において、それがどう影響するか、に左右されます。
そもそも障害者雇用であれば、病歴があること自体がマイナスにはなりません。
しかし、障害者雇用にあまり理解がなかったり、経験がない企業であれば、精神疾患の病歴のある方が採用の対象外であることも少なくないでしょう。そういう企業にどうしても入りたい、そして、今後の再燃の可能性について低いと自信があるのであれば、そういう企業にクローズで応募することになるでしょう。その可否は、一般論で論じることはできません。
再燃の可能性は、誰も確信を持つことはできません。あなた自身も、支援をしてくれる方々も。
あなたの人生は、あなたが歩んでいく道です。
じっくり考えて結論を出してください。