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WEBテストの不正発覚:適性検査の注意点

WEBテストが普及し始めたのは私がエンジニアリング会社のリクルートセンター長をしていた時ですから、もう15年以上前になります。
その時は、SPIはテストセンターと言って、指定された試験会場に自分の都合の良い時間を予約してそこでテストを受ける、というのが主流でした。もちろん、従来の紙にマークシート方式で、これを自社で実施している会社もまだまだ多くありました。

ちなみに、SPIは私の学生時代にも存在しています。
でも、その時は選考のためではなく、私が入社した会社では総合職採用の場合、内定解禁日の11月1日に内定者が受験し、その結果を配属の参考にするための用途でした。
当時はSPIの中でも、事務適性検査というカテゴリーがあって、一般職の採用にはこれを一斉に受験してもらって、合否の参考にしていました。(今は学歴と中途採用かどうかのカテゴリーのみ)

今もテストセンターもマークシート方式(つまり紙)のテストも存在するようですが、やっぱりWEBテストが主流のようですね。
当時から替え玉受験については問題にはなっていました。テストセンターでも別人が受験することを100%防ぐことは難しいし、ましてやWEBは今と違って映像を写すなんていう技術は無かったわけですから。

でも、採用側としては、テストの結果が非常にいい場合に限っていうと、なんとなく不正があったかどうかは感づいていたような覚えがあります。
ましてや、SPIにも他のテストにもほぼ組み込まれている性格検査は、替え玉に受験させるのはかなりのリスクです。

今回の不正の発覚で、お金を取って替え玉受験していた人が逮捕されることになりましたが、これを依頼した側も偽計業務妨害罪に問われるリスクも無くはないでしょうし、もちろん受けている会社はNGになりますね。
内定もしくは入社後に発覚したら、内定取り消しや最悪、解雇されることになります。安易に手を出すことのないようにしてください。
SPI(に代表される適性テスト)は、就活の中でも、最も対策を立てやすい分野です。私が解説するまでもなく、本屋にはSPI対策本が必ずありますし、WEBにも山ほど情報があります。これは同じ問題が出るというより、出題の形式に慣れておくという意味では有効な対策です。是非やっておくといいでしょう。

ここから本題、というか、私に求められることを書きましょう。

それは性格検査の項目です。もちろん、基礎能力検査での足切のある会社は少なくないのですが、実は性格検査での不合格も少数ながらあるということです。
一番多いのは、検査によって表現は違うのですが、「この受験者は正直に回答していない可能性が高く、検査結果の信頼性が低い」というような結果になることです。
私はこの結果だけをもって不合格にしたことはありませんが、この結果が出る受験者を不合格にするケースはたまに聞きます。

これは、正直に回答することで回避できるだけのことです。よく見せようとすると、こういう結果になりがちです。また、同じ設問がわざと何度も出るようになっているので、前の回答がどうだったかを確認しないで、回答する時点の気持ちで回答してください。こういうテストは、膨大なデータの積み重ねがあり、かなり正確に結果が出ると言われていて、特に不正直な回答は一発でわかるようになっています。

もうひとつ、障がい者や病気の方の支援をしていてあるケースですが、非常にネガティブな気分で受験して、それがそのまま結果として出てしまい、この方は採用できません、と言われることです。

正直に、と言ったのと矛盾するようですが、本人に聞くとかなりネガティブモードになって受験した、ということですので、ここは一旦落ち着いて、就職して自分の望む仕事ができていることをイメージしてからテストを受検しましょう。どこにも就職できず、不安な気持ちがあったとしても、今受験する企業があるということは、その数だけ希望があると考えましょう。


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