神様とコラボレーション3

あの日突然いなくなった妹。
周りはやっきになって毎日探していた。
私は探さなかったわけを人に話すべきではなかったが
とうとう姪や母には話してしまった。
神様と話すことで数週間楽に過ごすことが許させたのかもしれない。
馬鹿げたたわごとに付き合うのは私一人で十分だとは思わなかった。
ずいぶん疲れていた妹にできるだけのことをしてきたつもりだったのに叶わなかった。
元気になってこれから先何十年も一緒に過ごしていくことを私は望んだ。
妹は究極に楽になることを望んだのかもしれない。
いなくなった場所から路線バスのバス停が見えていた。
小さな袋に小銭を入れてバスに乗りどこか遠くに旅をしに行ったかもしれない。
隣町にいるおばあさんと仲良くなり一緒に住みながらおばあさんのお世話をしてのんびり過ごしているかもしれない。
すてきな紳士に出会い旅行に連れて行ってもらっているかもしれない。
ありとあらゆる可能性を妄想と呼ぶならそれでもいい。
妹はどこかで生きている。
そう思えば楽になった。
涙も流れない日はなかったけれど、そういうことを思えば楽になった。
数週間が過ぎて真実がわかった時に、あの思いは自分を楽にするために神様がくれたプレゼントだったのだろうと後になって思った。
人に話すことはよくないといつも言われていても、人にも私のように楽に生きてほしいと思うあまり話てしまう。
私の悪い癖、おせっかいだ。

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