【農業の問題】新規就農の高すぎるハードル

農業って、とても魅力的な産業ですよね。

社会に揉まれ身と心を擦り減らして生きていくよりも自由気ままに生きたいですよね。

農家っていうのは、個人事業主、フリーランス。生産販売経営すべてを自分で決めて行います。いってみれば社長みたいなもんです。

成功は自分のおかげ、失敗は自分のせい。
誰にも褒められないけど、誰からも怒られない。理不尽な上司にヘコヘコする必要もないし、嫌いな人と無理やり付き合う必要もない。

休みたい時は自分の責任で休むことができる。(実際は農業はそんなに休めないのが実情)

とても魅力的な仕事です。

ただし、農業には高い高いハードルがあります。

まず農地です。

農地は、農家資格のある人しか借りることができません。

農家資格を得るためには、就農計画を行政へ提出する必要があるのですが、5年後に農業所得300万円になるように現実的な計画を立てる必要があります。(行政によって基準は異なると思います)

所得とは、収入から経費を引いたものです。売上が500万円あって経費が200万かかったら所得は500万ひく200万で300万円です。

確かに経営をするうえで所得300万円ほしいですよね。でも、全国の農家で所得300万円いっている人がどれだけいると思いますか?

過去の統計データみると
全国で7〜8割は300万円以下
認定農業者(行政の認定を受けている所得500万の計画を立てた農家)でも4割近くが300万円以下だそうです。 (参考 農水省HP)

僕の地域では、所得300万円以上の方は殆ど居ないかと思います。大抵の方は、所得税が0円になるくらいの経営です。

殆どの農家が所得300万円いっていないのに、初心者に5年後にそれを達成する計画を立てろというわけです。確かに、ハードルは高い方がいいかもしれませんが、それでは就農する人は全然増えません。農家の高齢化が進み、衰退するだけです。

さて、就農計画ができたとしましょう。
次に、農地を探す必要があります。
基本的に農地が無ければ農業はできません。

いい農地は、今頑張っている農家が作っています。空き農地が出たとしても、いい農地を探している農家はごまんといます。その中で新規就農希望者が借りられる農地は条件が悪かったり、農地はあっても家から遠かったりする訳です。なかなかハードル高いですよね。

さて、運良く農地が見つかったとしましょう。
農業をやるためには農業機械、ハウス、作業小屋など大きな初期投資が必要になります。中古で良いものがあったとしても何百万とかかるもんです。

当然、お金の問題はどの業種もあって大抵は銀行からの融資、制度資金の活用をするわけです。就農計画をしっかり作っていれば、問題はありませんが、蓄えが全くなければ厳しいですよね。

また新規就農希望者に対して一定の条件を満たせば年間最大150万助成を受けられる行政の補助事業もあります。

それなら、安心だと思うかもしれませんが、その要件の中に行政が認めた研修先で研修を行っているというのがありまして、

その研修先がそんなに沢山ないのです。

そりゃ、元気な農家が減っている中で、受け入れ先が沢山あるわけがないですよね。

この行政の補助金はとてもハードルが高いのです。

さて、色々なハードルを乗り越えて就農できたとしましょう。

農業関連の知識、地域のコミュニティが全くない状態からのスタートでは、経営を上手くやっていくのは厳しいかと思います。

農業って、とてもハードルが高いんです。
地域の人も行政もみんなで就農者をサポートしたいと思っているわけですが、何やら色んな高いハードルがあって、なんだかなぁと思うわけです。

まぁ、行政の新規就農の補助金の高いハードルの背景には、かつて申請者の定着率の低さなどからどんどんハードルが高くなっていった経緯があるので仕方ないと言えば仕方ありません。

就農してやっぱ大変だからやめるなんて人が多いと困るわけですね。難しいですね…

それでも、日本の農業のためにも新規就農者は増やさなくてはいけません。とても難しい問題ですが、乗り越えなければ日本の農業は衰退するだけです。課題解決しなければならない日本の農業の問題ですね。

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