「革命の名のもとに共産主義者がリンチ殺害の帰結生む」

警視庁公安部は6月6日、革労協(革命的労働者協会)主流派の拠点を、公務執行妨害容疑で家宅捜索▼革労協は5月29日、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への軍事行動を批判する抗議活動で米大使館付近で機動隊と「衝突」し警備にあたる隊員に同派の活動家の男が複数回殴りかかり、職務妨害の容疑で逮捕と、関係先を捜索したもの。革労協は旧社会党系の新左翼過激派・社青同解放派の中心的組織で破防法調査対象団体に指定されている▼新左翼過激派といえば元朝日新聞記者・樋田毅氏の『彼は早稲田で死んだ』が原作の映画『ゲバルトの杜』が公開中だ。これは1972年早稲田大学第一文学部自治会で実際に起こった革マル派による一般学生をリンチ殺害した川口大三郎事件を描いた作品だ。早稲田第一文学部の自治会は当時革マル派が支配していた。二年生だった川口大三郎さんは狭山事件集会には参加したが、革マル自治会が「中核派のスパイ」と決めつけ、拉致監禁したあげく丸太や角材で殴打し殺害した▼立花隆氏の『中核vs革マル』がこの事件について客観的な記述で知られてきた。また村上春樹氏の『海辺のカフカ』では川口事件をモデルとした事件が通奏低音のように物語が展開する▼本紙でも当時この事件を取り上げ連合赤軍事件と同じく「革命の名のもとに共産主義者がリンチ殺害の帰結生む」としその雛形が「宮本顕治リンチ殺人事件」にあると喝破した。今なお色褪せぬ事実だ。思想新聞6月15日号風声より

 

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