小さな呪いを解いていく
スカーフやターバン、ベレー帽、サングラスなど「わたし、おしゃれなの」と主張するようなアイテムを身に纏うことに、抵抗がありました。
ターバンを買ってみたものの、家事の際に髪をまとめるのに使うくらいで、これで外出するのはちょっと…(周りの目が気になる)と思っていました。
でも、ちょっと待って。
「周りの目」って、なんだ?
わたしは周りに、どう思われたら嫌なんだ?
胸に手を当てて考えてみたところ、若い頃の級友とのやり取りを思い出しました。
Aちゃんってさー
絶対自分のことかわいいと思ってるよねー
あーそれ、わたしも思ってた!
かわいいって自覚ないと、あの恰好は出来ないよ
わかるー
…
2000年前後、割とよく聞く陰口でした。
(周りの目が気になる)と思っていたわたしは、過去のわたしが放ってしまった呪いで身動きが取れない状態だったのかもしれません。
歳を重ねたことで「他所は他所」精神が身に付いたわたしは、別に誰がどんな恰好したって自由じゃないか、と思っています。
でも、同じような呪いの言葉は、今でもよく耳にします。
「いい歳してあんな恰好して」
「ちょっと派手すぎない?」
「どこ目指してんだろ笑」
人のことをそんな風に揶揄してしまったら、いざ自分が年老いたときに、地味で目立たず、人がおかしいと思わない(であろう)恰好をして、背中を丸めてコソコソ歩くしか選択肢が無くなるのではないか?という言葉たち。
自分の未来に呪いをかけてはいけないと、逃げ恥の百合ちゃんも言っています。
わたしは今「自分のことかわいいと思ってる」らしいクラスメイトを陰でクスクス笑っていた過去のわたしに問いたい。
自分のこと、かわいいと思って何が悪いの?
それであなたに何か、迷惑かけた?
…
ここのところ、わたしはスカーフを少しずつ集めています。
スカーフを首に巻いて出勤してみたし、
ターバンをつけて散歩も外食もしてみました。
エイヤと身につけてしまえば
おしゃれアイテムは怖くありませんでした。
ほら、怖くない。
自分で自分を呪っていただけなんだよね!
とルンルン街を歩いています。