親愛なる「悩みなんて無さそうな」あなたへ
20代の頃、わたしは「若い女」枠のヒトとして日々を闘い生き延びていました。
・いつも明るく
・文句を言わず
・程よく相槌を打ち
・「さしすせそ」を多用し
・冗談にはよく笑う
というような。
「いつも笑顔だよね。悩みなんて無いでしょう。」
と言われることもありました。
「やだー、わたしだってありますよ!悩みくらい(ニコニコ)」
というような返答をしながら、心の中では「あるに決まってんだろ」と舌打ちしていました。
そういうことを言うと「女って怖い」と言われてしまうのですが、違うのです。
だって「若い女」として、定常的な機嫌のよさが求められていたのですもの。
機嫌悪くしていると、注意されたり怒られたりしたのですもの。
心の中がどれだけ荒れていても笑顔でいる訓練を受け続けてきたのですもの。
それで、
嫌なことがあっても、
生理でしんどくても、
なんだかモヤモヤしていても、
心の中で悪態をついていても、
お外へ一歩出たら元気に機嫌よく振る舞っている、というだけのこと。
そう思うと、
不機嫌になったらなったままで周りに当たり散らす人や、誰の目にも明らかな「どんよりオーラ」を放って口を利かなくなるような人って、
ここら辺の筋肉が弛んでいるのではないかな?と思うのです。
他者と過ごす上で、自分の機嫌を保つ為の鍛錬を怠ってきたのではないかしら、と。
…
こういう人は放っておいていいなと、今のわたしは思うのです。
トレーニング不足で不機嫌をだだ漏れさせている人は、厳しいようですがどうぞ勝手にふるえていてください。
わたしは「いつも元気」で「悩みなんて無さそう」な人こそ心配です。
よほど恵まれている人でない限り、特に若い時分に悩みがない、なんてことは考えにくいから。
たぶん、たくさん我慢しているはず。
本当は心から傷ついていても笑って受け流して、こっそり家やトイレの中で泣いたりしているはず。
自分をダメな人間と思い込んで、1人で落ち込んでいるはず。
(ちなみにわたしは若い頃、仕事帰りに堪えきれず駅のトイレとかに駆け込んで泣いていました。下手すると夜な夜なすすり泣く幽霊がいるって噂になっちゃう…)
どうか、安心して泣いて、泣き疲れてゆっくり眠れる場所がありますように。
なんとか今を生き延びて、歳をとってメンタル太くなって、人の機嫌とかどうでもいいわ、とりあえず横になろうという境地に至れますようにと願います。
ちなみに冒頭の「さしすせそ」というのは、こういうやつです。
・さすがー
・知らなかったー!
・すごーい
・センスありますね!
・そうなんだー
逆に、こんなん言われてよく単純に気分よくなれるな、本音と建て前って知らないの?随分ちょろいもんだなと思いますが、
そういうこと言うとまた「女って怖い」と言われますね。
違うんですよ。
わたしたちは訓練されてきただけなんです。
機嫌を保つパッキンがゆるゆるの人たちと違って、逞しいだけなんです。
どうか、見くびらないでください。
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