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いやな気持ちになったときは

ある日、同僚が嘆いていました。

「同期がみんな辞めてしまったから
 役職や昇進の目安が分からない」と。

え、でもそれって…と思ったのです。

同期がいたとして、その同期が非常に優秀だったとして、そうしたら自分はどんどん取り残されて、同期がどんどん出世していくのを目の当たりにすることになるのではないか。

それはとても、寂しいことなのではないか。

逆に、

同期があまり、振るわない人物だったとして、自分は出世していくのに同期は平社員のままだったら、それはそれで居たたまれないというか、悪いことをしているわけでもないのに合わす顔がないというか、そういう気分になるものではないか。

そう考えると、比較対象なんて無いに越したことはないのでは。

そんなことを思っていたら、同僚は続いてこんなエピソードを語り始めました。

「そういえば、かつての同期に
 疎んじられたことがある」と。

同期の内、一番早く役職についたのが本社勤務の自分であったことから、遠方の支店勤務の同期から「本社と支店とで有利不利があるのではないか」と人事宛に問合せが入ったことがあると。

それを風の噂で聞いて、いやな気持ちになったことがあると。

やはり。
そういうこともあるよね。

同期でも
きょうだいでも
友だちでも
夫婦や
パートナーでも

自分たちの認識外というか、あずかり知らない外野からの評価によって、本人同士ではうまく行っていた関係にひびが入るというのは、ままあることです。

お姉ちゃんは出来るのにあなたは…とか
お隣の○○くん、国立大ですってとか
奥さん、営業成績トップらしいじゃんとか

人は無邪気に比べるし、比べられたら「劣っている」と評価された方は特に、苦しみます。

そしてその苦悩、恨み、やっかみが、勝手に自分たちを評価「した」側ではなくて、優れていると評価「された」側に向かうこともあります。

お姉ちゃんばっかり…とか
○○ちゃんにはもう会いたくないとか
くそ、誇らしそうな顔しやがってとか

それは
悲劇です。

嫌な気持ちになったとき、その感情を
そのままぶちまけてしまうのは避けたい。

脊髄反射的な行動は
リスクが高すぎるからです。

シェイクスピア悲劇の皆さんをごらんなさい。

オセローも
ハムレットも
リア王も
マクベスも

感情のままにひた走って
失敗なさっています。

これってどこから来る感情なんだっけ
わたし、なんでムカムカしてるんだっけ

原因はなんだっけ
情報源は確かだっけ
根拠はあるんだっけ

そうやってよく考えることは
自分で自分を納得させてあげる為に
とても大事な作業だと思うのです。

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