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「地球を守る」ってなんだか

先日、とある外来生物のニュースを見ました。
害獣、とされるその動物(リス)の特徴として、以下の2つが挙げられていました。

・密集した群れで生息している
・雑食で何でも食べる

だから自然環境や農作物に悪影響を及ぼす、害獣だ、と。

え?でも待って。

わたしたち人間も、同じですよね。

・密集した群れで生息している
・雑食で何でも食べる

そればかりか、飲む必要もないのにお酒を大量に飲んで正体を失くしたり、満腹になってもまだ食べ続けてお腹を壊したりします。
それらのことを、なぜか他者に強いる個体すらいます。

リスより、よほど質が悪いのでは。

しかもこのリス、見た目がかわいいからという理由で外国から持ち込んだのは、他でもない、人間なのだそうです。
そうして今、それを敵視して駆除に躍起になっている。

高村光太郎じゃなくても「人間よ、もうよせ、こんな事は」と思わざるを得ません。

そんな人間が、最近「地球を守る」とか言っています。

地球を守ろう!
地球の為にできること。

でも、恐らくですが、温暖化しようがオゾンが破壊されようが、地球そのものは存続可能なのでは?と思います。

宇宙人の攻撃とか巨大惑星の衝突から守る、とかならまだしも。

この「地球を守る」という言い方…
わたしは以前から、何かに似ているなと思っていました。

「君を守る」「守りたいんだ」と、かつて若かったわたしに告げてきた男たちです。

…守る?
なにから?
どうやって?
わたしが守ってほしいと思っているか否かの意思確認もなしに?

わたしは当時、疑問と困惑とモヤモヤでいっぱいでした。
でも、その違和感をその場で言葉にすることは出来ませんでした。

今振り返って考えてみると、「守りたい」というのは発言者ご自身の希望であって、わたしがどうして欲しいかなんて、彼らにとって知ったこっちゃなかったのではないかと思うのです。

か弱い(ように一瞬見えた)姫を守る、騎士になりたかったのでしょう。俺が。

守ろうとしてくれてありがとう。
でも、わたしは誰かに守られたいと思っていないし、自分が強いことを証明する為に、わたしを使わないでほしい。
わたしをあなたの下位に置く代わりに庇護されても、全く嬉しくない。
どちらかというと、この生きにくい世を渡る為に共に戦ってほしい。

「地球を守る為」ではなくて「人類存続の為」と、正直に言えばいいのにな、と思います。

人間が本当に守りたいのは地球そのものではなく「自分たちにとって住みやすい地球」だと。

わたしは、1匹のしがない害獣であることをせめて自認し、今地球に存在する、またこれから誕生する万物のために、出来る限り余計なことをしないよう、今後の人生、過ごしていきたいと思っています。

地球を守るなんて、おこがましい。

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