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妙な気遣いはよしこさん

「結婚していない人の前で旦那さんの話をするのは失礼だと思いますよ」

と注意を受けたことがあります。

失礼、とは。

その方は、未婚の人に対して自身の配偶者についての話題を控えることを「気遣い」と捉えているようでした。

人は様々な思いで自身の行いを決めているものですね。

ただ、よくよく考えるとこの理屈は

「結婚していない人は、している人を羨ましく思っているはずだ」

という前提に基づいているのではないかと思われます。

だから、結婚生活についての話は聞いていて辛かろう、よって控えるべきだと。

どちらかというと、そちらのほうが余程「失礼」なのではないでしょうか。


言うまでもないことですが、世の中はカラフルで、多種多様な考え方を持った人が存在しています。

結婚に限らず

恋愛も
友だち付き合いも
子どもの有無も
海外旅行や
リスキリングや
演劇鑑賞や
読書や
スポーツ
その他無数の「する / しない」のどちらを選ぶかは、それぞれの価値観次第です。

また、どちらを選んだとしても、それぞれにメリット・デメリットが発生するでしょう。

選択は同じであっても、結果的に己にとって「失敗 / 成功」どちらと捉えることになるかもまた、当事者次第。

だから誰にとっても正解となる選択肢なんて、ありません。

結婚していない人は、「しない」という選択を(少なくとも現時点で)している、というだけのこと。

もちろん相手が「したいけれど出来ない」状態である可能性もあることは踏まえるべきですが。

どんなジャンルの話題であっても、自慢話や相手への押し付けにならないように
「こういうことがあって、わたしはこう思った」
という平らかな口調を心がけるという配慮は必要だと思います。

また、長々と、もしくは何度も同じ話をするのも控えたい。

ですが、それは単純にコミュニケーションのとり方の問題であって、ジャンルそのものを丸ごと、主観だけでバッサリ切り捨ててしまうことを、わたしは賢明な判断だと思えません。

わたしの話を聞いて「結婚っていいな」と思ってもいいし、「2人暮らしめんどくさ!やめとこ」と思ってもいい。
それもまた、相手の自由です。

心に留めておいたほうがいいのは、何人たりとも他者に対して「こうであるはず」「こうすべきだ」と決めつけることはできない、ということだと思います。


【語句説明】
◆よしこさん=よして欲しい / やめて欲しい
(「よして」 に女性の名前である 「よしこ」 をかけたダジャレ)

◆よす=やめる / しないことにする

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