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スポーツ中継は苦手、だと思っていた

スポーツ中継の、音が苦手です。

例えば、音程そっちのけ、且つ爆音のトランペットが謎の旋律を奏でていたり(野球)、得点が入ると同時に実況の人が「ゴオオオオーォル」と大声を張り上げたり(サッカー)。

あの音と声が、殊に苦手です。

夫が真剣に見ている場合は、
我慢するか
別室に移動するか
他のことに集中して耳を餃子にするか
等でやり過ごしますが、もう見ていないのに延々とついているだけらしいと見るや否や即刻、電源をOFFします。

静寂は、耳に優しい。


倉敷保雄さんというサッカー実況アナウンサーの方がいらっしゃいます。

↓検索したら、note登録してらした。

いつのことだったでしょう。
いつもは耳障りな中継が、全く不快に感じなかったことがありました。

おや、と思い、なんでだろうと耳を澄ましたところ、その試合の実況を担当している人の、声のおかげだと分かったのです。

その方は、各選手の経歴や、今ピッチで起きているあれこれの経緯などについて何だかやたらと詳しく、そして終始淡々と穏やかな口調を崩しませんでした。

実況と解説がお互いに低め安定の温度で語り合っていて、惜しいシュートがあっても、ゴールが決まっても、全然声を張りません。

でも多分この人、サッカーがすごく大好きなんだろうな、というのが伝わってきました。

こういう形もありなの?と思いました。
サッカーといえば、あの派手派手しいアナウンス、ってわけでもないの?

それが、倉敷保雄さんの実況との出会いでした。


わたしがスポーツ中継を苦手とする理由は、2つです。

1)ただ「音」としての不快さ
2)元々の気持ちよりもかなり盛った声

祖父が生前、「バラエティー番組が不快、ただうるさいだけだ」と常々言っていました。
わたしも今、バラエティーがとても苦手です。

絶対にそんな驚いていないのに
「えええぇぇぇーー」
「うそおおー」
「まじかああぁぁーー」
とか言っているのが、見ていて辛いのです。

無理して嘘をついている声、という感じがして。

スポーツの実況が苦手な理由も、そういうことだったのかもしれない、と思います。

「心から楽しんでいる様子で」
「スポーツへの心からの愛情が伝わってきて」
「終始語りが穏やか」

こういう実況なら、心地よく聞いていられるようです。

無理をしてテンションを上げたり、大声を出したりしない、ただそのスポーツを愛し、誰よりも造詣の深い人が淡々と語ってくれるのならば、話に耳を傾けていられる。

恐らくわたしは、五感の中でも聴覚が特に敏感、みたいです。
そういえば夫の声も、落ち着いていて穏やかで、耳に負担がありません。

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