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C子

なんで笑うの?
何がおかしいの?
どうして楽しそうなの?

私だけが知らない世界で
私だけが稚拙なのです

大人になりきれない中身は
美味しくもないのに
不味くもないから
ただそれきりで

片手で絞ったレモンの果汁は
もともとあった切り傷に沁みて
胸の奥までヒリヒリです

"あなたを苦しめるようだから距離を置いて…"

ああ、そうか
いつもこうだ
何か間違えた
勘違いを起こしては

とんでもなく
孤独な少女A

国内紛争地帯

あ、
そうか
沁みるのは
アレか幻覚か

どんなにもがいても
息が苦しい
少女B

泣きたくないのに
怒って泣いてる
愛を求めて
ずっと泣いてる

なんで笑うの?
何がおかしいの?
どうして楽しそうなの?

きょとんとしたまま
何もわからないまま
どんどん身体が
涙を止めない

瞼が腫れて
声が掠れて
頭が痛くて
それでも
止まない雨です雨なのです

私は少女C

C子

と名付けられた
1番理性的で、辛抱強くて
説得力があって
哀しい生き物です

抱きしめて欲しいと言わなくて
慰めても言わない
喉のあたりを潰して
目を閉じて

感情をどこかに置いてきました。

皆は美味しそうに幸福をたべるけど、
食べ方のわからないまま
みんなの中に入れない

ただ薄らぼんやり、
微笑んで眺めています

10年以上はそうだから
C子は自分が誰だかよくわからない。



(※2017年7月初旬頃の詩作)


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