次は消化器科へ
腰が痛くて働けない→整形外科系の診察と治療を受けたが原因不明→今度は咳→治ったから病院に行こうと思ったら今度はゴールデンウィークに突入してクリニックや病院が営業しているかどうか怪しい。職安にも行きたいが、祝日は営業しているのか? クソが。地球は人間が住むには厳しすぎる。
体調不良と怠惰が理由で、前回の日記からかなり空いてしまった。その間、私はというと拙宅で腰痛に苛まれながら起き伏していた他、友人宅に二度訪問し、また暇つぶしに適当な本を読み酒を呑み、そうして貯蓄を喰い潰していた罰が当たったのかここ一週間ほど咳が止まらなくなる謎の病気に罹患した。昼夜お構いなく咳が出るのでロクに眠れず、持病の睡眠障害が更に悪化し、大げさだが「ああ、これで死んだら孤独死だ、誰も俺の死を知りようがない、運が良ければ友人が気付いてくれるかな」と暗澹たる気分で病床に伏していた。
咳込みも収まったので、それのせいで後回しにしていた用事を済ませていく。まず散髪。友人宅へ訪問した折、友人の細君に「坊主は駄目だよ、何て言うか、似合いすぎるよ。パーマとか掛けたらどう?」と助言を頂いたのだ。坊主を拒否されたのは、たぶんガタイのいい男が坊主にすると反社にでも見えるのだろうが、そもそも無職なので反社どころか社会に属しているかも怪しい。会社に帰属していない……無社?
私は幼少の時分より異様に暑がりな汗かきで、とてもではないがパーマではこの夏を越すことが出来ない、おそらく電子レンジで加熱した卵みたいに爆発四散するという確信があったので、細君の制止を振り切って四ミリ坊主を敢行した。この、薄毛を誤魔化すための坊主の一件がバレて不興を買うのが怖いので、細君には当面の間、内密にしておこうと思う。近日中に友人宅を再び訪ねる機会があったら、以前にドンキで買ったパツキンの女性用カツラを着用して行く。
杖を突いてフラフラしながら買い物を行う。貯蓄は喪われる一方だから厳格な節制を心掛けねばならない。今日は、夏用の衣類、食料と飲料、食器・洗濯用洗剤、ウイスキー、さけるチーズ(スモーク味)、いぶりがっこチーズ、カルパス、ビール(サッポロ)、キャメルの十四ミリなど、生活必需品を購入した。こうして買い物をする度、やれ増税だ物価高だと声高に叫ばれる昨今で、体調を崩し失職した己の間の悪さをクチャクチャ噛みしめる。運動不足(そも運動が出来ないわけだが)で、簡単な買い物だけでも腕が酷く疲れる事実に直面し、肉体の老化を自覚して悲しくなった。悲しくなったので酒を呑んだ。多幸感に包まれた。
今日はちょっと面白いものを見つけた。ダイソーで購入した「読書台」だ。
開いている本の下の白いのが「読書台」である。価格はに二〇〇円位だった。以前から「読書台」には、いやこの手の「読書用アイテム」には興味を抱いているので、格安で買えるならばと購入した。節制という観念は酒で雲散霧消した。簡単に組み立てて完成。いま読んでいるのは『山頭火俳句集』(岩波文庫)である。「あんなに泣く子の父はゐないのだ」という句を読んで、母子家庭出身の私はケラケラ笑っている訳だが、今はその話は置く。
白い台の部分が読書台であり、つまりそれ以外は私が以前に購入した読書用アイテムである。画像下に光っている二本の鉄は文鎮、本を挟んでいる黒くて大きい洗濯ばさみ様のものは「ブッククリップ」といって以前にAmazonで購入した物。……これは私見だが、こうやってブッククリップや洗濯ばさみ等で挟むものがなければマトモに機能しないように思えてならない。他のメーカーの読書台事情は知らないが。それでも、こうした工夫次第でけっこう重宝するのではないかと思っている。実際、いまは楽々と読んでいる。「ちんぽこにも陽があたる夏草」。ケラケラケラ。
再び友人の細君の話になるのだが、私が整形外科でMRIまで撮影したにも関わらず何もかも全てクソ徒労に終わった忌々しい話をすると、内科を受診してはどうかとの由。家に帰り調べてみると、確かに内臓から来る腰痛に関する記述が散見される。特に心当たりがあるのは、腰痛のほかに腹痛、吐き気などの症状がある場合は、胃や十二指腸潰瘍や急性膵炎等の可能性があるため消化器科を受診するよう勧められている。まあ皆さん安心して頂きたい。文章を読んだだけで私の病気はうつらない。
おそらく人は一定の年齢を超えた後、病気は、減らない。増えるだけだ。精神疾患、腰痛、頭痛、肥満、薄毛、三十七歳にもなってマトモに女性と目が合わせられない、ギャンブル依存症、咳……。咳は治ったが、もう悠長に療養だのと言っていられない。
痛かろうが何だろうが、積極的に打って出るしかないのだ。いま、こうして前向きな文章を書けている理由は、精神薬を内服しているからである。「日を浴びつゝこれからの仕事を考へる」。
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