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覚せい剤はやめられる



1.私は15年間覚せい剤中毒だった

20年以上前、20歳のころ。
初めての一人暮らしで毎日さみしく、仕事は自分の作った曲を買ってくれる人がいてそこから収入を得ていた。また、デートするだけで10万円くれるいわゆるパパもいて当時お金に困ることはなかった。
ある日なんとなく気分的に昔仲良かった男友達をうちに来ないかと誘った。
高校の時からの友達で、高校当時にマリファナを一緒に試しに吸ったりしたことがあった。
お互いに好意はもっていたが、相手には彼女がいたし付き合うような関係ではなかった。
その彼がうちに遊びに来て。キスをするときに何かの煙を口にふくんでいた。
口移しで「吸って」といわれ、吸ってみた。
そして性行為をした。行為中も何度か私の口に煙を入れてきた。
何かガラスのパイプをライターであぶりながら。
私はその時、まさか覚せい剤とは思っていなかった。「それ何?」と聞いたが「いいから」としか返ってこなかった。
そして彼は帰るときに私に使った道具一式の入った箱を渡し、「持っていて」と言った。
彼が帰ったあと、私はそれが何かやっとわかった。
わかったけれど、その時の感情は、ああ、彼はここまで落ちてしまったんだな・・・。
という感情と、いいよ、付き合うよという同情のような気持ちが湧いた。
なぜかは分からない。けれど恐ろしくて今回きりだ。今回きりだ。と言い聞かせ箱ごとクローゼットの奥に隠した。
「今回きりだ・・・今回きりだ・・・」
これがきっかけで、私は1年後実家にもどってからも、周りの誰一人にも感づかれる事なく15年間も覚せい剤を吸いつづけ、まともな生活を送るための必要なアイテムとして依存していく事になる。

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