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年功序列・終身雇用制度が終わる、これからの人生設計

6月16日閣議決定された「骨太の方針」で、終身雇用や年功序列などの改革が決まった。

ずっと前から『雇用の流動化』と言っていたから、いつかはやると思っていた。

退職金も増税される。

企業は効率的に人員整理しやすくなる。

時代が変わっていく。

私たちの人生設計も、時代の変化に合わせて変えていくべきだろう。

大事なことはいつも閣議で決まる。。。

終身雇用制度

30年以上前、大企業に勤めていた。

部署には上から部長、部長代理、課長、課長代理という序列で、おじさん達が鎮座していた。

部長代理とは実質的にはハンコを押す係(失礼!)で、部員は40人くらいなのに部長代理が4人もいた。

若者は朝から晩まで髪振り乱して働いていたが、彼らはのんびりと新聞を読んで、でもちょっと偉いから女子のパンツスーツに文句を言ったり(女性はスカートを履かなければいけないとのこと。うるせー笑)、忙しいのに雑談に付き合わされたり、、、日本ならではのシステムだろう。

当時は景気が良かったし、年長者を敬わなければならないという『年功序列』に特に疑いは持たなかった。

あの人たちは高いお給料をもらって、がっぽり退職金を受け取ったんだろうなぁ。。。

今はそういう人たちのことを、『Windows2000』というらしい。

『窓際』で日向ぼっこしながら『2000万円』の給料を貰っているから。

ネットで見つけて爆笑してしまった。

ネーミングうまっ!!!

それにしてもこの長い不況の今でも、まだ企業がそういう人達に高給を支払っているという事に驚く。

これだけ不況が続いていたら、昔のように『経済成長を支えてきた人たち』という大義名分がないし、ただ『日本の仕組みに守られてきた存在』だろう。

あの人達が幸せそうにのんびりできていたのは、年功序列と終身雇用のおかげ。

長年勤め上げたんだから、最後くらいいい思いさせてよと。

「自分が若い時はもっと大変だったんだ」なんて自慢話をしながら、、、。

私はそういうのを、全く羨ましいと思わない。

そもそも女性は対象外だったけど。

でも日本社会は、そのような生き方をを『美徳』として捉えてきたようなところもある。

みんなでちょっとずつ我慢して、社会の歯車として働き、最後ご褒美にちょっと多めに退職金をもらう。

会社はご褒美を払うために、若い人は給料が安くても我慢しろと言う。

自分たちも若い時は安月給で頑張ったんだと。

給料が上がらないと嘆いているうちに、ついに平均年収で韓国に追い抜かれてしまった。

これから日本の社会制度は大きく変わることになるのではないか。

”あともうちょっと”という年齢の人たちはかわいそうだけど、多分それは必要なことだ。

私たちどうするべきか

第二次世界大戦後の高度経済成長期、全てが右肩上がりだった。

物価も給料も地価も。

戦争で焼け野原、国は復興のためインフラ整備をし、国民はローンでマイホームを建てた。

当時は住宅が足りず、昭和30年時点で284万戸の不足

『深刻な住宅難』といわれ、その対策のため、数々の住宅政策が打ち出された。

半世紀以上前のことだ。

今は全く逆

住宅が余って、空き家問題が深刻化している。

空き家の数は2018年現在で840万戸

ところで

現在日本の住宅ローン利用者の8割は変動金利で借入をしている。

アメリカでは、9割が固定金利で借りているそうだ。

金利が上昇すると、変動金利の住宅ローン金利も上がる。

去年からアメリカは過去に類を見ないスピードで金利を上げた。

米国住宅市場が大暴落をするのではないかと思っていたが、今のところそんなことは起こっていない。

逆に底打ち感が出てきて、住宅着工件数は上昇に転じた。

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固定金利なら政策金利がいくら上がろうと関係ない。

アメリカではリーマンショックの時に、サブプライムローンで借入ていた人たちが金利上昇で返済額が増えて返せなくなり住宅の投げ売りをしたり、延滞や貸し倒れで差し押さえされたりし、住宅市場の大暴落が起きた。

サブプライムローンは信用が低い人々に対して甘い審査で、変動もしくは短期固定ローンを融資していた。

証券化されたサブプライムローンを保有していた銀行も甚大な損害を受け、リーマンブラザーズは経営破綻した。

過去に学び、現在アメリカではほとんどの住宅ローンが固定金利になっている。

以前から固定金利が多かったがますます増えている。

家計の健全性が保たれ、住宅市場の暴落も防いでいるようだ。

このような姿勢を我々も学ぶべきではないだろうか。

過去の戦略を見直し、現代にあったものに改めていく。

高度経済成長期の右肩上がりの時代(半世紀前)の、家計戦略を脈々と引き継いでいては、時代の変化に対応できない。

これからの日本は、半世紀前とは違う家計戦略が必要だ。

結局自分はどうしたいのか

人口が減少し高齢化が進み、空き家が増え、終身雇用制度と年功序列制がなくなる日本。

ベビーブームで人口が激増し、高度経済成長で全てが右肩上がり、企業も絶好調だった半世紀前とは正反対だ。

と言うことは、今までとは正反対の家計戦略を取る必要があるのではないか。

例えば

年功序列で終身雇用なら、30歳で住宅ローンを組んで定年までに完済して、子供の教育費も払えていたかもしれない。

住宅ローンというリスクも、毎年の経済成長が相殺してくれた。

終身雇用がなくなるのなら、『寄らば大樹の陰』 と言っていたのは過去の話になる。

自分の家計の土台を、自分自身で作らないといけない。

今も若い時に住宅ローンを組んで家を買う人が多い。

子供が小さい時に住宅ローンを組むと、教育費の支払いがマックスのときに、住宅ローン控除期間が終わり、税金が上がる。

住宅ローン控除は年末のローン残額の0.7%を、税金額から引いてもらえる

所得税がゼロということも珍しくはない。

それが13年間で終了する。

教育費、住宅ローン返済、税金。

同時に負担がかかってしまう。

支払いに追われると、資産を作ることができなくなる。

私は教育費がかかるうちは、住宅ローンを借りないほうがいいと思う。

半世紀前は今のように教育費はかからなかった。

状況が違う。

まずは自分たちの経済基盤を作ることが優先してほしい。

家の購入は子供が自立してから考えても遅くない。

資産さえ作ってあれば、買うことも、借り続けることも、どこかに移住することだって選べる。

住宅については一つの例。

生き方は人それぞれ、自分の納得できるものであれば、どんな選択もありだと思う。

今、世界は不確実性の時代と言われている。

今後どんな世界になるか誰にも分からない。

こんな時代だからこそ、自分の優先順位を見つめて、他人の真似ではなく自分自身の人生設計をじっくり考える事が必要な時だろう。

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