着地成功。｜りおん

①「いいわね。お役目返上したあのコップ！きっとバカラだから、ヒビが入っても調度品のように大事にされてるんだわ！ ‥でも‥本当に‥そうなのかしら‥」コップは問いを持った。今まで当然と決め込んでたことに、初めて疑いのメスを入れた。「バカラって、プライドが高い上にフラジャイルなのよ。割れなかったなんて、ただ運が良かっただけよ！‥でも‥本当にそうなのかしら‥」一つ問いが浮かぶと、また次々に疑問がわいてきて、泡のようにぶくぶく膨らんでいきます。　その時！

②ニャオオ〜♪ ネコヲがひょいとテーブルに乗ってきて、ひゅいとコップをはじいちゃった。「うわぁーーー！」するとなにやら味わったことのない感覚がボディを駆け巡った。

③「なになに〜⤴︎このぷにゃんと弾むような！アクロバティックな感覚！」コップはしばし夢見心地でトランポリンを楽しんだ。「こんなにハードでも壊れない！ヒビってもない！これは、ズバ抜けた耐久性の証しよ！〝タイキュウセイ〜♪〟う〜ん♡なんていい響きなのかしらっ」コップは己を発見した。すると聞こえてきた。夢にまで見たあのサウンド♪

④〝ママ〜このビスケットめちゃ美味しいよー〟見ると子供の手のひらにちょうど良い丸さ加減。ぱくぱく頬ばり、まんまるおめめもキラキラです。〝そうね。このコップ、ビスケットの型抜きにちょうど良いサイズね！〟ママの笑顔もまんまるです。